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開発チャレンジ応援コラム第264話: 開発リーダーに向く人とはどんな人? 実行力編


「開発リーダーに向くのは、どんな人でしょうか?」
先日、ある経営者からされたご質問です。

それには、たくさんある、というのが正直な答えなのですが、それでは、答えにならないので、一つ、実行力という切り口で重要な特性をお伝えすることにしました。つまり、実行力という切り口で、開発リーダーに向く人とは、どんな人か?ということです。ただ、いきなり向く人の話をするのではなく、まず、逆に向かない人とはどんな人か?という説明をすることにしました。

皆さんが抱く開発リーダーに向かない人のイメージとは、どんなものでしょうか?

実行力の無い人でしょうか。確かに、それはあります。しかし、実行力があれば良いというものでもありません。一見、実行力は合っても向かない人がいます。下手に実行力があるだけに、かえってやっかいな状況に陥ってしまう人です。

実行力はあっても開発リーダーに向かない人とは、ずばり、自分で何でもやろうとしてしまう人です。

「え? それは、向く人の間違えではないの?」

こう思った方も多いと思います。ご質問された経営者も驚いた表情をしました。ですが、間違えではありません。自分で、つまり、一人で、何でもやってしまおうとする人は、開発リーダーには向きません。

開発リーダーは、製品化や事業化を目指していかないといけない存在です。そのためには、技術だけではなく、設計や製造、そして営業力も必要になります。さらには、自社にはできないこともやらなければなりません。場合によっては、大学や役所の力が必要になるケースもあります。製品化や事業化には、多くの組織や機関の力が必要になります。

つまり、一人でやれる範囲を大きく超えているのです。それを、無理やり一人でやろうとしても、できるはずがありません。

ところが、自分で何でもやろうとするタイプの人は、すべてを自分でやろうとします。そして、すべてを自分の立場で考える人です。他部門や外部企業と仕事をするときも、自分の立場、自分の置かれている状況ばかりを強く主張し、それを貫こうとしてしまいます。その結果、関係者の協力が十分に得られずに、そうかといって自分一人ではやり切れずに、途中で投げ出す羽目になるのです。

単なるちょっとした技術開発ではなく、製品化し事業化を目指す開発は、一人でやり切れるものではありません。製品化し事業化を目指す開発では、立場の異なる多くの関係者を動かすマネジメント力が絶対に欠かせないのです。そのためには、自分の立場をいったん捨てて、相手の立場に立てる、相手の立場を理解できる人でなければなりません。相手の立場を理解し、相手の立場に立って、様々な部門や外部企業、外部機関と連携し、引っ張らなければなりません。

さらに、重要なことは、関係者全員の立場を踏まえて、一段高い位置から全体を俯瞰してみることができなければなりません。全体を俯瞰し、全体を引っ張らなければならないからです。そのためには、関係者それぞれの立場を理解する力が求められます。

実行力と言う切り口で、開発リーダーに向く人とは、相手の立場に立って、全体を俯瞰し、全体を引っ張ることができる人です。

そのためには、様々な立場や部門を経験している必要があります。例えば、ある一つの技術だけをずっと研究開発していた人などは、製品化、事業化の開発リーダーはすぐには務まりません。

開発リーダーに求められる実行力とは、自分でやる力では無く、やれる人を動かす力なのです。

御社は、多くの関係者の立場に立てる人財を育てていますか?