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コラム第263話: 会社が傾く危険なシグナル、優秀な人財から辞めていく会社に決定的に欠けていること


「優秀な人財から辞めていくので困っています。」
先日、ある経営者の方と会話したときにポロっと出た悩みです。

聞けば、一人だけでは無く複数続いているそうです。何とか食い止めようと、同業他社以上の給与にして待遇を改善したり、コミュニケーションを密に風通しを良くして職場環境の改善に努めたり、事業の見通しを説明して将来への不安を取り除いたり、あの手この手の対策を講じたそうですが、退職が止まっていないとのことです。

退職者が続く。食い止めようと、不満や不安を解消してつなぎとめようとする。ところが、退職が止まらない。しかも、優秀と評価している社員から退職していく・・・。なるほど、よくある話です。

なぜ、止まらないのでしょうか?

それは、原因を見誤っているからです。退職の原因を間違ってとらえているから、効果の無い対策を取ってしまっているのです。優秀な人財の退職を食い止められない企業では、退職する原因が、不満や不安にあると考えています。そのため、不満を解消しようと待遇や職場環境の改善に努めたり、不安を解消しようと事業の見通しをできるだけ明るく説明したりします。しかし、彼らは、不安や不満が第一の原因で辞めていくのではありません。もっと他に原因があります。だから、退職が止まらないのです。

では、彼らが辞める原因は、一体どこにあるのでしょうか?
優秀な人財の退職が続く原因、それは、会社の危機感の無さです。

どんな企業にも、常に、危機が存在します。変化の激しいビジネスの世界で、危機は常に存在しています。生き残っていくためには、常にそこにある危機に対応していかなければなりません。優秀な人財は、この危機に気づく力を持っています。つまり、彼らの頭の中には、常に、危機意識があるのです。彼らは、危機への感度が高いのです。今のままではだめだ、変わらなければならないという危機意識が常にあります。そして、会社の将来のために、会社を変えなければという使命感を持っているのです。

ところが、経営者から発せられる言葉や行動は、安心させようとする情報ばかり。そのような対応に、優秀な人財は、「経営者は今の危機を何も分かっていない、このままではこの会社はダメだ」とさらに危機意識を高めます。

さらに、彼らの危機意識を高めるのが、周りの社員です。周囲の社員は、待遇改善や安心材料に満足しています。安心し、今まで通りに、のんびりと仕事をしています。少なくとも、そのように優秀な社員の目には移ります。これがまた、彼らをイラつかせます。そして、この会社はもうダメだと見切りをつけてしまうのです。本当は、会社のことを誰よりも心配し、良くしたいと考え、また良くする力を持っているのに、会社の危機感の無さに絶望し、会社を去っていくのです。なんとも不幸なことです。

優秀な人財が辞めず、彼らが使命感を持って活躍する会社にするために必要なこと、それは、経営者が会社の危機感をきちんと示すことです。

このようにお伝えすると、「そんなことをしたらますます社員が辞めていく」とおびえる方がいます。しかし、危機感があるから会社を辞めるのではないのです。逆に、会社に危機感が感じられないから辞めていくのです。経営者が、会社の将来、社員の将来のために、危機感を示せば、優秀な人財は敏感に反応し、乗り越えるべく活躍するのです。すると、周囲の社員も引っ張られて変わっていきます。

優秀な社員から我々が常に問われているのは、今のままで良いのか?ということなのです。

御社は、会社の将来を本気で考え、本気で危機感を示していますか?
本気で会社のことを考えている社員は、危機感に必ず前向きな反応をしますよ!