コラム第262話: 伸びる企業に必要な3つの条件と開発型企業としてさらに飛躍する条件とは?

「先生、伸びる企業の条件とは、何でしょうか?」
当社のセミナーで、「伸びると予測した企業が、その後確実に成長した」という話をしたときに出た、ある社長からのご質問です。
単に、一般論で業績が伸びる企業ということであれば、環境の影響が大きいという答えになります。世の中全体が好景気の時、あるいは、今まさに伸びている業界、伸びている市場に身を置いている企業は、少なからず業績が伸びます。
しかし、未来永劫ずっと続く好景気や伸び続ける業界、伸び続ける市場は、存在しません。必ず、浮き沈み、栄枯盛衰があります。伸びている業界で安穏としていれば、業界全体が沈み始めれば、一緒に沈んでいくことになります。
一方で、そうした逆境を何度も乗り越え、着実に伸びていく企業があります。たとえ身を置く業界や市場が逆境にさらされていても、倒れることなくしっかりと伸びていく企業です。冒頭の伸びると予測した企業とは、この逆境をも乗り越え伸びていく企業のことです。昔から、ここは伸びると予測した企業は確実に伸びていきました。中には、当時は知る人ぞ知る企業で、今では誰もが知る企業もあります。最近でも、ここは伸びると予測した企業は、コロナ禍でも、伸びています。
冒頭の質問への答え、逆境下でも伸びる企業の条件。それには、3つの条件があります。
まず、一つ目です。一つ目は、「社長がしっかりしていること」です。
昔から、会社は、社長の器以上には大きくならない、と言いますが、これはまさにその通りです。やはり、会社は社長で決まります。様々な社長のご支援をしていて、日々これを実感させられます。
次に、二つ目です。二つ目は、「売る力があること」です。
これは、特に製造企業にお伝えしたいことですが、逆境下でも伸びる企業に大切なことは、造る技術ではありません。売る力です。自社の製品や技術を伝え、売る力。これが欠かせません。技術が認められ、多くの受注を抱えている企業であっても、売る力が無ければ、ひとたび逆境にさらされると、どうすることもできなくなります。やはり、伸びていくためには、売る力が欠かせません。受注を待つだけの下請けではどうにもならないのです。
最後に、三つ目です。三つめは、「No1商品を持っていること」です。
これは、その商品や製品、技術の売上規模には関係しません。規模に関係なく、その市場、その分野で、ニッチでも何でもNo1と呼べるものを持っているかどうかです。このNo1を持つ企業は、逆境に強く、経営基盤が安定しています。売上規模が数億円の企業でも、No1を持つ企業は、同規模の企業に対して桁違いに強い。これが実感です。
以上が、逆境下でも倒れず安定している企業の条件です。
ここからさらに伸びていく企業には、もう一つ条件が加わります。
それは、「新たなNo1商品を生む力を持っていること」です。
真の開発型企業には、この新たなNo1商品を生む力があります。これができる企業は、逆境を跳ね返し、伸びていきます。一つの市場が行き詰っても、新たな市場を創る力があるからです。そして、新たなNo1商品を生む力を持つ開発型企業には、それを生む仕組みが必ずあります。仕組みがなければ、何度もNo1商品を開発することはできないからです。
「そんなに上手くいくはずがない」
その通り、上手くはいきません。そう簡単にNo1商品は開発できません。しかし、逆にその上手くいかないということこそがポイントです。そう簡単には上手くいかないからこそ、上手くいかないことを前提にした成功するための仕組みが必要なのです。
開発型企業には、失敗を前提にした仕組みがあり、失敗のマネジメントがしっかりしています。成功するためには、失敗は避けては通れません。皆、失敗を避けるから、成功できないのです。
御社は、逆境下でも伸びる条件を満たしていますか?