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コラム第257話_開発が失敗する最大の要因とは?


「開発が失敗する原因として最も多いのは何でしょうか?」

先日、ご支援中のある開発リーダーと食事の席で談笑していたときに、ふと出てきた質問です。答えは、経験でも、統計でも、それはもうダントツで明らかにトップにくる原因があります。

その答えとは・・・タイミング です。

いわゆるタイミングを逃す、タイミングを外すというものです。これが、ダントツトップの失敗原因です。中でも多いのは、遅すぎた、というものですが、意外に多いのが、早すぎたというものです。

開発に苦労し、時間がかかり、できた頃には他社に先を越され、あるいはお客さんの興味が他に移ってしまい、折角 完成したのに、時すでに遅く、ビジネスにならなかった・・・これが最も多いパターンです。一方で意外に多いのが、良いものが開発できたと喜び勇んで市場に投入、あるいはお客さんにアピールしたところ、全くの無反応。様々な場所や場面で必死にアピールして営業活動を続けるも反応が上がらず、だんだんと初期の勢いが無くなり、ついには立ち消えになる・・・これも意外に多いケースです。では、立ち消えになったのが全くダメな技術だったかと言うと、何年か後に、場合によっては10年以上経ってから、大ブレークする技術になることが少なくありません。まさに、早すぎたパターンです。

さて、原因が分かったら、対策です。タイミングを逃してしまう問題に対して、どう対処すればよいのでしょうか?

まず、タイミングが遅いパターンの対策です。経営者の多くは、この遅い問題に対して、自社のマンパワーの不足、技術力や開発力の不足と捉え、解決不可能な問題としてあきらる傾向にあります。しかし、そんな力任せの力業に頼らない対策法があります。しかも、至極単純な方法です。それは、開発期間を見越して早く開発を始めることです。たったそれだけです。あるいは、開発を思い立った時に、世に出す時期から逆算して成立するように開発を組み立てる、それだけのことです。

早いパターンの場合は、もっと簡単です。開発できたら、あとは時を待てば良いだけのことです。

ところが、これらのことが、なかなかできません。できないから皆タイミングを逃し、失敗してしまいます。だから、最上位の失敗原因になっています。

そして、この問題が難しいのは、いくら技術開発力は高くても、タイミングを外してしまうと、失敗するという点です。一方で、この問題が面白いのは、技術開発力が低くても、タイミングを捉えさえすれば成功できるという点にあります。実は、ここに開発の醍醐味があります。

タイミングが最大の開発の失敗要因であるということは、タイミングこそが最優先で考えなければならないことである、ということです。これを真に理解し、対策を実践できるかどうかが成否の分かれ目です。真に理解し実践できている企業や開発者が極めて少なく、それ故に、タイミングが失敗の最大原因になっているのです。

不幸にしてタイミングを逃したときの後悔には、凄まじいものがあります。技術開発に失敗したのであれば、まだあきらめもつくものですが、技術開発には成功したのに最終的に失敗したのでは、さんざん苦労してきたのですから、あきらめるにあきらめきれません。どうしても未練が残ります。あきらめきれず、何とか生かそうとします。そして、この思いが更なる悲劇を招きます。何とか生かそうと展開した先で、また、失敗してしまうのです。なぜなら、これまたタイミングを外すからです。

企業が、開発者が、タイミングを外してしまう根本原因、それは、作り手の都合で開発してしまっていること、にあります。

作り手の都合で、十分に完成させてから提供していたのでは、遅すぎます。作り手の都合で早々に開発できたからといって、直ぐに提案したのでは、早すぎます。当然、今だ!と明確に感じてから取り掛かったのでは遅すぎます。これらは、すべて作り手の都合で動いてしまっています。

冒頭の開発リーダーの質問には、「タイミングですよ」と即答しました。

既にこのリーダーには、タイミングの問題を解決する術を渡してあります。そのため、このリーダーからは、「なるほど。それなら大丈夫。」という自信と安堵が伝わってきました。リーダーの心に迷いはありません。

この開発リーダーの心に迷いが無いことは、極めて重要なことです。心に迷いが生じていては、それこそタイミングを逃してしまいます。ここだ!というタイミングを目指して自信を持って迷わず突き進むこと。これだけで、控えめに言っても、開発の成功率は倍になります。それほど、タイミングとは重要な成功因子なのです。

御社は、タイミング意識し、タイミングを意識させていますか?