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コラム第252話:持続する企業が持つ変異のメカニズムと開発の仕組みとは?


不謹慎に聞こえるかもしれませんが、ウィルスの変異の仕組みは本当によくできていると感心します。変な意味はありません。純粋に仕組みとして、そのメカニズムは、よくできていると感心します。

どこにそんなに感心しているのかと言うと、適応し、生き残る仕組みとしてです。そして、その優れた仕組みが、企業の生き残り、そして、そのための開発に求められる仕組みと共通する点が非常に多いからです。

ウィルスが生き残り続けている現状からみても変異のメカニズムの威力は、疑いようがありません。どんなに強力なワクチンができても、相手にどんなに強力な免疫システムがあっても、それに適応し、しぶとく生き残っています。そのカギとなっているのが変異の仕組みです。本当に感心します。

ただ、逆に言うと、変異の仕組みを持たなければ、ウィルスは生き残れないということです。変異が無ければ、ウィルスは、とっくにワクチンとそれによって強化された免疫システムに滅ぼされています。変異の仕組みがあるから、ウィルスは生き残ることができるのです。

これだけ強力な変異の仕組みですが、その根幹を成すのは、コピーミス、つまりコピーの失敗です。コピーの失敗が前提になっているのです。

仮に、ウィルスの立場になったとして人間の頭でまともに生き残り策を考えれば、自分自身の改良をするはずです。生き残れるように、失敗して滅びることが無いように、失敗しない確実な生き残り策を考えます。そして、確実な方法として、自分自身の緩やかな改良を続けるはずです。

しかし、それでは、環境の変化に対して生き残れないのです。その証拠が、現状です。変異が無ければウィルスは生き残れていません。少しばかり改良しても免疫システムに太刀打ちできません。ウィルスが環境の変化に対して生き残れたのは、変異の仕組みを持っていたからです。そして、それを可能にしたのが、失敗を前提にしたことです。数多くの失敗の中から、次の成功を生み出す仕組みを持っていたからなのです。しかも、それをウィルスという、限られた、わずかな存在(資源)で実現しているのです。

事業もこれと同じです。環境の変化に対して、生き残るために、確実な方法を求めて既存事業の改良改善だけを続けていては、いずれ環境の変化に淘汰されてしまうことになります。そのことを 長い歴史の中で生き残る術を獲得してきた 小さな小さな 単独では生命体にもなり得ない ウィルスが証明しています。

環境の変化に対して、持続的に生き残る術は、数多くの失敗の中から次の成功を生み出すことです。しかも、それを自身の限られた資源を使って実現することです。

自社を変異させながら持続する企業は、この失敗をしてでも次の成功を生み出す開発の仕組みを持っているのです。そして、これは、潤沢な経営資源がある企業にしかできないことではありません。大企業でもできていない、というよりむしろ大企業だからできない企業が多く、逆に、中小企業でもしっかり変異し生き残っている企業はたくさんあります。ミクロな存在であるウィルスでも獲得している仕組みなのですから。それこそ、仕組みの威力です。

御社は、失敗してでもやる覚悟を示していますか?
環境の変化に対応する仕組みを持っていますか?