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コラム第250話:新規開発への取り組みが定着する企業と立ち消えになる企業の違い


「まずいな」
ご支援している企業が開発中の案件で、悪い結果が出てしまいました。試作評価の結果が悪く、期待した効果が得られなかったのです。ここまで順調に進んできたこの開発において、大きなつまずきです。このままでは、一気に開発への気運が下がり立ち消えになりかねません。頭の中で「まずい」と警報が鳴ります。

ところが、悪い結果を受けても、目の前の開発者は、意外なほど淡々としています。残念に思いながらも、こんなものかと現実を受け入れ、落ち込みことなく、既に次のことを考えている様子です。いやはや、たいしたものです。すっかり感心させられました。

通常、今回のようなひどく悪い結果が出てしまう、すなわちひどく失敗してしまった場合、大きく落ち込みます。動揺し、どうして良いか分からなくなります。立ちすくみ、心に迷いが生じます。それでも何とかしなければと無理に動くと、心に迷いがあるので、そのままさまよってしまいます。そして、そこからなかなか抜け出せなくなります。

さらに、新たな技術の開発ということで周囲の期待を集めている場合は、ここに周囲の失望が加わります。「期待していたのに、なんだこの結果は」と一気に冷めてしまいます。それがまた、開発者の落胆を大きくしてしまいます。もはやこれ以上動けなくなるか、焦りに焦ってあらぬ方向へと走り、さらに傷を広げることになります。

これに対して、なぜ、冒頭の開発者は、目の前の結果に動じることなく、大きく落ち込み立ちすくむことも無く、また、さまようことも無く、すぐに次へと動き出すことができたのでしょうか?

そこには、開発の方向性を最初からはっきりと示していたことがありました。最初に方向性を定め、開発に着手していたのです。この開発者には、開発の方向性がはっきり見えていたので、目の前のことに失敗しても動じることなく、目指す方向に向かって、次に何をすべきかを考えることがすぐにできたのです。

方向性が見えていれば、大きく動じることはありません。道を見失うことも、さまようこともありません。これはダメだった、ならば、目指す方向に向かうために次に何をすべきか、これを冷静に考え、再び歩みだすことができます。

冒頭の開発者には、この自分が向かうべき方向がはっきり認識できていました。だから、悪い結果に対して、残念に思いながらも、こんなものかと現実を受け入れ、落ち込みことなく、次のことを考えることができたのです。目の前でそんな立派な開発者の姿を見て、改めて方向性の大切さを再認識させられました。

不確実な世界、暗闇の中で何かを達成するためには、遠くの光、目指す方向が見えていることが極めて重要です。上手くいかないのが当たり前の世界で、少々上手くいかなくても、道を見失わずに、ゴールへと向かっていくためには、目指す方向が見えてなければならないのです。

御社は、開発者に向かうべき方向を示していますか?