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コラム第247話:高い開発目標を達成するための開発計画のあり方


「これは、やらなくても良いのではないですか?」

「え?」

目の前の開発者は思ってもみなかった指摘に戸惑っています。そして、反論します。

「しかし、これは必要です。」

構わず続けます。

「これと、これ、どちらが大事なのですか?」

「・・・」

どちらも大事です、という心の声が聞こえてきます。やらない、という発想は、頭の片隅にも無かったようです。

これは、ご支援企業と開発計画を練っていた時のやりとりです。この企業は、非常に意欲的で、高い開発目標を立てました。そして、その目標を達成するべく、開発者は、懸命に計画を練り上げました。なんとか達成できるように、なんとか速くできるように、取り組み項目を詰め込み、日程も詰めに詰めて計画を立てました。そして、それを「これでどうですか?」と示してくれました。まるで、これなら抜けは無いはず、抜けている点があったら指摘ください、と問いかけるように。

それに対して上のように指摘したのです。なぜ、こんな指摘をしたのかと言うと、この計画のままでは、日程遅れ、目標未達になることが目に見えていたからです。抜けうんぬんの前に、それを指摘しなければならなかったからです。

示してくれた計画は、一言で言うと、ムリな計画でした。土日出勤を前提にし、しかも、すべての取り組みが理想的に上手くいくことを前提にした計画でした。万に一つも上手くいかない、まさにムリな計画だったのです。

「そんなことを言われても、高い目標を達成しようと思えば、多少、無理しなければできないでしょう?」そう言った声が聞こえてきそうです。ですが、無理な計画を実行しても達成は無理です。もともと無理があるのですから。無理なものは無理なのです。

一方で、できるわけがないだろうと周囲から思われるような高い開発目標と日程をいつもかかげているのに、それを次々と達成してしまう企業があります。しかも、日程を前倒しで達成していきます。周りから見れば信じられない状況です。そんな企業です。

そんな高い目標を前倒しで達成する企業と、達成できずに遅れてしまう企業とでは、計画に顕著な違いがあります。計画段階から差が付き、既に結果が見えてしまっているのです。実行段階に移行した後では、取り返しがつかないほどに。

両社の計画の違い、それは、一言で言うと、「計画に、無理が有るか無いか」です。前倒し企業の計画には無理がありません。未達企業には、計画時点で既に無理があります。

未達企業では、高い目標を与えられた開発者が、計画段階で無理をしています。そして、その無理な計画を実行するから、当然のことながら無理がかかり、実行が遅れることになります。これを防ぐには、「高い目標に対して、いかに無理の無い計画を立てられるか」これが鍵になります。高い目標を、できる計画に落とし込む必要があるのです。

そのためには、計画を立てる人が、高い視点を持ち、開発を組み立て、経営資源を適切に配分することが必要になります。技術的な視点だけで、やるべきことをすべて積み上げていては、とても高い目標と日程は達成できません。それを技術の視点だけで日程を縮めようとすると、どうしても無理な実行計画になってしまうのです。ところが、目標だけを要求してしまうと技術者は技術の視点だけで無理な計画を立て、自分で自分の首を絞めてしまいます。

開発計画を立てる人には、経営レベルの高い視点が欠かせません。そのために、経営者は、計画を立てる開発者の視点を引き上げてあげることが必要です高い目標に対して、開発者が、高い視点を持って、できる計画に落とし込んでいけるようにしている、これが、前倒し達成企業がやっていることなのです。

御社は、開発者の視点を引き上げていますか?
高い視点から無理のない実行計画を立てさせていますか?