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コラム第246話:人がいないと言う前に社員の力を解放するために経営者がやるべきこと


「ずいぶん楽になりました」

ご支援中の開発者の言葉です。この方の抱えている業務を少し整理してあげただけなのですが、ずいぶんと表情は明るくなり、目も輝いて見えました。

何もこの方は、楽(ラク)をしたかったわけではありません。ようやく楽ができて喜んでいるのではなく、これからが楽しみでやる気が出て張り切っている、説明するならそんな状態です。そのことが、冒頭の言葉に続く、次のセリフに現れています。

「これでやっと、やりたい仕事ができます」

10%にも満たない。これが多くの開発者を見て実感する、開発者が本当にやるべきことに使えている時間の割合です。ほぼ0%。そういった例も少なくありません。

立上げ応援や現場のトラブル応援、品質確認や不良対策、様々な書類作りや社内管理業務、顧客の問い合わせ対応やメール返信、などなど。多くの開発者は、開発者がやるべき開発業務以外の仕事に追われています。そのため、そこから解放してあげるだけでも、大きく開発が進むようになります。

しかし、問題は、本人の力ではこれが難しいという点です。開発者自身は、開発に集中したいと考えています。ところが、そうできない状態になっている点がこの問題の解決を難しくしています。開発に集中したいと考えていても、他の業務をやらざるを得ない状況に追い込まれているのです。

この問題を解決するためには、仕事を整理することができる立場にあるマネジメント層の人間が、手を差し出さなければなりません。開発者を本来やるべきではない仕事から解放し、本来やるべき仕事に集中できる環境を整えてあげなければならないのです。

これは、開発者本人にとっては難しいことです。ですが、経営者が本気になれば、簡単にできることです。ただ、多くの経営者がやっていないだけのことなのです。

と、ここまで書いてきたことは初級編です。開発業務外の仕事を整理するのは、あくまで初級編です。冒頭の企業では、これだけを実現したのではありません。さらなる業務整理をしています。

ここまでの初級編は、開発以外の業務の整理でした。それだけでも効果は出ますが、本格的な効果を出すためには、さらなる整理が必要です。それは、開発業務内での仕事の整理です。

開発業務の中でも、本来やるべき仕事と、そうでない仕事があるのです。もう少し、踏み込んで説明すると、絶対に自社でやるべき仕事と、自社でやらなくても良い仕事があるのです。ここまで踏み込んで仕事の整理をすると、開発のスピードと得られる成果が飛躍的に高まります。

冒頭の企業では、経営者と一緒に、開発業務内に踏み込んで仕事の整理をしました。本来、社内でやるべき業務と、そうではない業務を区分けし、その上で、各業務をどこと、どのように進めるかを一つ一つ決めていき、開発業務を組み立てていきました。一通り整理が終わったところで、開発者から冒頭の言葉が出たのです。開発者には、「これでやれる!」という自信とやる気がみなぎっていました。開発のスピードと成功率が飛躍的に高まることは間違いありません。

よく、人が足りないとか、人がいない、という経営課題を聞くことがありますが、この問題では、人を増やす前に仕事の整理をすることで解決することの方が多いのです。

御社は、本来やるべき業務に集中できていますか?