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コラム第244話:開発した技術がビジネスにつながる企業とつながらない企業の違い


「先生、今度、相手企業の営業役員と話をしてきます。」

ご支援中のある開発者からの報告です。隣で、社長が頼もしそうに開発者を見つめています。

この開発者は、技術者です。そして、相手企業との交渉内容は、自社が進めている開発への技術協力を取り付けるというものです。その交渉を技術者である開発者が、相手企業の営業役員と直接行うという報告です。

「当然でしょ。」

そう思われた方も多いと思います。その通り、当然です。ところが、これが全く当然では無いというところに、技術者の難しさがあります。技術者のマネジメントに苦労した経験を持つ方なら痛いほどわかるはずです。そういった方にとっては、冒頭の開発者の姿勢は、とてもうらやましい状況です。

多くの企業で開発にたずさわる技術者は、社内にこもって技術開発に集中しています。もちろん、これも大切です。しかし、それだけではダメです。なぜなら、開発は、自社だけでは完結しないからです。顧客企業や関係企業との協力関係の構築や巻き込みが欠かせません。

ところが、技術者は、これをやりたがりません。技術にしか興味を持たず、技術開発のみをやろうとします。他企業との交渉は、営業の仕事と思っている人までいるくらいです。

「いや、自社は他企業ともコミュニケーションを取っている。関係企業の技術者と連絡を密に取って情報を共有している。」

こう反論される技術者の方がいるかもしれません。しかし、技術者同士でのコミュニケーションでは、結局、技術の話しかしていないのです。それでは、技術開発はできても、その結果がなかなか成果には結びつきません。一言で言うと、ビジネスにならないのです。

開発を成果に結びつけるためには、顧客企業や関係企業とビジネスの話をしなければなりません。開発者は、開発をビジネスとして考え、関係企業とビジネスとして交渉しなければならないのです。開発者は、ビジネスの話ができて初めて一人前です。ビジネスで話を進めていれば、必然的に、相手企業から出てくるのは、経営者や営業、開発部門長になってきます。技術担当者同士では、話が技術の域を出ずビジネスの話にはなりません。

開発した技術をビジネスにつなげる企業では、開発者が開発をビジネスとして考え、開発を始める前から関係企業とビジネスとして交渉し、開発全体を組み立てているのです。そして、そういった企業には、開発者が開発をビジネスとして考えるように、開発者をマネジメントする仕組みが存在するのです。

御社の開発者は、開発をビジネスで考えていますか?

開発者にビジネスで考えさせていますか?