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コラム第240話_人を増やして良い会社と人を増やしてはいけない会社の違い


「先生、これこれこういう人物がいるのですが、どう思われますか?」
ある経営者の方からの開発者の採用に関するご相談です。

開発には特別な人財が必要と考えている経営者が多いからか、同じようなご相談をよく受けます。中には、過去に開発をやらせてみたものの上手くいかず、誰でもやれる仕事ではないという経験をした経営者もいます。

確かに、開発に向く人と向かない人はいます。ビジネス全般に共通する基本的特性が必要なことは言うまでも無いことですが、開発では、それに加えて独特の適正というものがあります。ですので、そのご支援もしています。ただし、その支援が必要な段階に達した企業に限定しています。どういうことかと言うと、その企業が本当に採用を考える段階にあれば良いのですが、実際には、相談になる企業の多くが、それ以前の段階にあるからです。

そのため、採用のご相談を受けた際には、次の質問をしています。
「なぜ、採用を考えているのですか?」

この質問に対して、最もよくある回答内容が、「既に仕事が回っていない」というものです。人数が足らず既に仕事が回っていないので、人員を増やしたいという採用目的です。

結論から言うと、これは、採用以前の問題を抱える企業の典型的な回答パターンです。このように仕事がオーバーフローしているケースでは、既にすべての仕事のパフォーマンスが落ちてしまっており、深刻な状態に陥っています。そこまで追い込まれてから、新たな採用に動き出しています。

しかし、こういった企業がまず考えなければならないことは、仕事が回らなくなった原因が何か、ということです。

「何を訳のわからないことを言うのだ。仕事がオーバーフローした原因は、人が足らないからじゃないか。だから、人を採用するのじゃないか。」こう思われた方も多いかもしれません。実際に、既に仕事が回っていないことを理由に採用に動く企業は、そう考えています。

しかし、こういった企業が採用で人を増やしても、焼け石に水です。むしろ、ますます仕事が回らなくなります。これは、採用する人財の質に関わらずです。

なぜかと言うと、こういった企業には、マネジメント力が無いからです。

採用した人を活かし、機能させ、成果を出していくためには、マネジメントが必ず必要です。マネジメントが無ければ、たとえどんなに素晴らしい人を採用できたとしても、その人を活かすことができません。活かす以前に、採用した人をまともに指導することができず、採用された人はどうして良いかわからずに仕事がまともにできず、現場は、さらなる混乱状態になり、以前に増して仕事が回らない状態に陥ってしまいます。新たな採用を考える場合には、その大前提として、マネジメントが機能していることが必要なのです。

マネジメントが機能していれば、仕事が回っていない状態にはなっていないはずです。マネジメントがしっかりしていれば、ギリギリでもその状態は回避しています。有限の人財の中で、仕事を整理し、仕事を組み立て、適切に人員配置し、何とかして回しています。そして、オーバーフローが予測されるときには、事前にその解消に動きます。採用に動くときには、これから〇〇をやるために、これくらいの人が必要だから、採用すべき、として動き出します。決して、オーバーフローしてから、焼け石に水を注ぐように採用に動くことはありません。そういったマネジメントできていない会社や組織が人を増やしても、さらなる混乱、さらなる人手不足を招くだけになってしまいます。既に仕事が回らなくなった企業では、まず、仕事を整理し組み立て、改めて適切に人員を配置するマネジメント力をまず身に付けることが必要なのです。

御社は、開発業務をきちんと組み立てられていますか?
安易に、人の数に頼ろうとしてはいませんか?