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コラム第225話:開発リーダーになれる人となれない人の伝え方の違い


一昔前の話です。ご支援中の開発者にある考え方をアドバイスし、その後の対応結果を尋ねました。

すると、「先生から受けたアドバイスをメールで関係者に伝えて、どうしたら良いか聞いてみました。そうしたら、こうした方が良いと言われたので、言われた通りにやっています。」と返ってきました。「ああ、この人は、このままでは永遠に開発リーダーにはなれない」そう直感した一幕でした。

開発リーダーの育成、これは、当社のご支援テーマの一つです。おかげさまで、これまで目の前で開発リーダーに育っていく姿を数多く見届けることができています。みなさん、ある時を境にグングンと成長され、立派なリーダーになっています。本人は元より、社長や周囲の想像をはるかに超え、時には当社の想像も超えて、成長されています。

リーダーとしての成功体験は、ビジネスマンにとって貴重な経験になります。将来、会社を背負う人財としても欠かせない経験になります。お一人お一人の、そんな成長シーンに立ち会えることは、本当にコンサルタント冥利に尽きます。

しかし、なかなかリーダーになれない、リーダーになるのに苦戦する人がいます。リーダー候補として選ばれ、本人もリーダーになろうとしているのにも関わらず、リーダーとして周囲を動かす力を、自ら手放してしまう人などが、その典型です。冒頭の方は、正にそのタイプでした。

改めて申し上げるまでも無く、リーダーとして欠かせないのは、周囲を動かす力です。周囲を動かす力がなければ、リーダーの役は務まりません。ところが、このタイプの人は、折角リーダーとして任命され、その力の一部を授けられたにも関わらず、あろうことか自分からそれを放棄してしまうのです。

この自分からその力を手放してしまう人は、リーダーが発揮すべき周囲を動かす力が、どこから生じるのか、これを理解していません。理解していないので、無意識のうちに、これを放棄してしまいます。そうしないためには、このメカニズムをまず理解させなければなりません。

リーダーが発揮すべき周囲を動かす力とは、リーダーの意思から生じます。当たり前のことですが、リーダーとしての意思表示が無ければ、周囲は動きません。その意思表示は、そもそもリーダーに意思が無ければ出てこないので、まずは、意思を持つことです。その上で、その意思を、言葉や行動で周囲に示していかなければなりません。

リーダーに欠かせないのは、自分の意思を持ち、自分の頭で考え、自分の言葉で話し、自分で行動し、リーダーとしての意思を示すことです。そして、その結果を自分で受け入れる人です。そういった人に周囲は動かされ、ついていくのです。

ところが、リーダーとして周囲を動かす力を自ら手放してしまう人は、こういうアドバイスを受けた、あるいは、こういう意見をもらった、と、他人の意思で人を動かそうとします。他人の言葉を引用したり、他人のメールを転送したりして、他人の意思で人を動かそうとします。社長から言われた、上司から言われた、先生に言われた、などがそうです。

冒頭のタイプのように、もっとひどいケースでは、自分では考えずに、受けた意見やアドバイスをそのまま周囲に伝え、さらに、それを周囲に判断してもらおうとします他人の意見に対して、他人に意見してもらい、それで動かそうと考えるのです。どこにも本人の意思表示はありません。

こんな状態で周囲がその人の方を見て動くはずがありません。他人の意見で動く人は、自ら周囲を動かす力を放棄した人です。そんな人には、誰もついていきません。

冒頭の方には、すぐにこのことをお伝えしました。その結果、幸いにも気づいてくれました。もちろん、それまでの互いの信頼関係があればこそですが、早めに気づいてもらうことができて、本当に幸いでした。

リーダーは、他人の意見やアドバイスを参考にして、自分の意思で行動する人です。そして、この人を動かすのに必要な意思、その熱量は、文字ではなかなか伝わりません。やはり、対面で伝えることが大切です。

上司のメールを添付して、こういう指示を受けたので行動しています、とメールで説明するような人に対して、周囲の人がリーダーとして認め、その人の方を向いて動くことは、永遠にないのです。

御社は、リーダーを育てられていますか?
自分の意思を表明し動かす社員を育てていますか?