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コラム第219話:なぜこの商品が売れずあんな商品が売れるのかと思ったときは新商品開発の一大チャンス


「こんなものは売れないでしょう」
「それが、売れているのですよ」
「え?・・・」

ある国で急速に売れ始めている商品を紹介した時の、ある経営者の反応です。

その商品とは、この方の企業が事業を展開している業界の商品です。つまり、この経営者は、この商品市場の専門家です。その専門家に紹介したのは、専門家から見て「こんなものは駄目だよ」と一目で結論付けてしまうような商品です。

ところが、それが売れているのです。その事実を聞かされたこの経営者は、最初、驚きを隠せませんでしたが、しばらくして、こう言います。

「でも、どうせ一過性でしょう。すぐにすたれるでしょう」
これに対して、新たな事実を告げます。
「すでに、A社とB社は、この市場向けに大型の投資を始めていますよ」
「・・・」

この経営者は、あまりに想定外の動きに、言葉を失ってしまいます。無理もありません。A社もB社も業界では知らない人はいない有名企業です。しかも、新たなチャンスを次々にものにして業績を伸ばし続けている企業です。

「そんなはずはない」
懸命に否定しようとしますが、まぎれもない事実です。しかし、それでもなお、頭の中はなかなか切り替えることができません。

この例のように、長年の経験や過去の成功体験から「こんな商品は売れない」と直感できるものが売れているときは、要注意です。あるいは逆に、「これは売れる」と確信していた商品が予想に反して全く売れない時も同様に注意が必要です

こんなときは、何が起こっているのか、次のように自問してみることが必要です。

世の中と、自分(自社)の感覚が、ズレてきていないか?

なぜなら、上記の現象は、世の中とズレ始めた時に出てくる事象だからです。さらには、このズレに速く気づくことが極めて重要だからです。このズレは、新商品開発の一大チャンスであり、そこに速く気づくことが最大の成功要因になります。

一方で、ズレに気づかなかったり、ズレを一過性と見誤って、否定し何もしないでいると、どんどん世の中からズレていきます。特に、一つの事業、一つの業界で長く続けてきた企業は要注意です。ひどい場合は、ズレている世の中が悪い、お客さんが悪いとお客さんを否定し始めます。いくら否定したところでお客さんを変えることはできません。そして、商品を買ってくれるのは、お客さんです。この事実は、決して変えることはできません。

幸い、冒頭の経営者は、変化に気づきました。そして、頭を切り替えました。いま、猛スピードで開発しています。気づいていなかったり頭を切り替えられないライバルとの差をどんどん広げています。いち早く頭の中を切り替えられたおかげです。

御社は、世の中の変化に気づけていますか?
「おや?」という違和感や驚きを無視せず、市場の変化を見逃さないようにしていますか?