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コラム第214話:自社の柱となる社員を育てる経営者の特徴


「社員がぜんぜんだめで・・・。先生、見てやってもらえませんか?」
先日、ある社長から声をかけられました。

話をお聞きすると、自社の技術者に対してかなりの不満を抱えているようです。こういうことができない、ああいうことをしない、そういうことをやってしまう、次々と技術者に対して社長が感じている課題が出てきます。その度に、社長が指示を出したり、代わりにやったりしているそうですが、それがまた、不満やイライラを増大させているようです。

確かに、過酷な社長業をしながら、これくらいはやって欲しいと思っている業務にまで手を出さないといけない環境は、社長にとってイライラがつのる場面です。なんとかして欲しいとお願いしたくなる気持ちはわかります。

しかし、この方の場合、よーく話を聞いていると、「おや?」と感じることがありました。
それは、「社員は結構動いている」ということでした。

出てくる課題は、細かなこと、こう言っては何ですが小さいことが多いのですが、どれも、社員が動いた結果として出てきた課題でした。社員の動きに対して、ここが足りない、ここを配慮していない、少し間違ったことをしている、ちょっと社長の考えと違うことをしている、といったものです。気になる度に、そういったことに社長が口を出し、手を出していました。

これは、いけません。もちろん、社員が全く動いていないときは、動くように促さなければなりません。しかし、社員は動いているのに、その動きの細部が気になって、いちいち口を出し、手を出していては、社員が育たないばかりでは無く、やる気を失ってしまいます。

口を出し、手を出す前に、なぜ、社員が社長の考えと違うことや間違ったことをしているのか?これを考えなければなりません。

多くの場合、その原因は、社長が自分の考えや会社の方向性、さらには目標を示していない、十分に伝えていないことにあります。

社員は、そこを十分に理解しないまま、社員なりに何とかしようと行動し努力しています。しかし、そこは社員なりに・・・ですから、当然、社長から見ると、違うことや不足が目につきます。けれども、だからと言って、それに対して、いちいち口や手を出していたら、社員は育ちません。それだけではなく、モチベーションを下げてしまいます。

社長は、社員に対して、まず、方向性を示し、目標を与えなければなりません。そして、きちんと方向性と目標を社員に理解させなければなりません。間違った行動をしたり、不足がある場合は、指示や手を出すのではなく、方向性と目標を再確認し、それを徹底して理解させることです。理解が足りないときは、とにかく理解を深めることに徹することです。

十分に理解が進んだら、後は、行動を期待することです。そして、動き出したら、それを支え、応援し、様々な障害から守る役割をすることです。こうすると、社員は育つようになり、結果的に、社長が口や手を出すことが少なくなっていきます。これをやらずに、ただ、気になる度に口や手を出していては、社員は育たずモチベーションが下がり、口や手を出す機会がますます増えていく、悪循環に陥ります。

社長の役割は、社員のモチベーションを下げ、行動を止めることでは無く、方向性を示し、その方向に行動を促すことです。社員の行動に対しては、支援し、時に間違った場合には、軌道修正をかけることです。

御社は、社員に道を示し、行動を促し、行動を支え、応援していますか?
社員の行動をいちいち叩いてはいませんか?