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コラム第212話:技術系企業にとって良いものが全く売れない理由


「うちは開発力が・・・」とは、中小企業の経営者から良く聞かれる言葉です。

しかし、開発力が弱くても開発して儲けている企業をたくさん知っています。逆に、開発力はすごいのに、すごい開発をしているのに儲からず苦しんでいる企業もたくさん知っています。このことは、開発品で儲けることと、開発力が、必ずしも相関しないことを示しています。

少なくとも開発力が弱くても開発で成功することはできるのです。そして、その成功のヒントは、開発力は高いのに失敗している企業の失敗原因にこそ、隠されています。

この開発力の高い企業が開発で失敗する原因、それは、良いものを開発する力が高いことにあります。

開発力の高い企業は、良いものを開発する力があり、それだけの力のある技術者がいます。しかし、だからこそ、良いものを開発して失敗するという落とし穴にはまってしまいます。しかも、同じ過ちを何度も繰り返してしまい、いつまでたっても落とし穴から抜け出すことができません。

開発力の高い企業が、この落とし穴にはまる原因、それは、「良いものは売れる」という思い込みにあります。

開発力はあるのに失敗を繰り返している企業の頭の中には、この「良いものは売れる」という思い込みがあります。そのため、良いものを開発しようとします。そして、開発力があるので、実際に良いものを開発します。しかし、売れません。あるいは安く買いたたかれます。儲かりません。良いものを開発しているのに、なぜ?・・・フラストレーションだけがたまっていきます。

しかし、良いものは売れると思っているので、売れないのはまだ良さが足りないからだと考えてしまいます。そして、もっと良いものを開発しようとします。そして、実際に開発してしまいます。しかし、結果は、売れません。すると、まだ足りないと、さらに良いものを・・・どんどん落とし穴の中に深くはまり込んでいってしまいます。

ここにハマってしまっている企業は、次の極めてシンプルな事実に気づかなければなりません。

それは、良いものが売れるのではなく、欲しいものが売れるという極めてシンプルな事実です。

良いものと欲しいもの、この二つの言葉の極めて本質的な違い、それは、良いものとは、開発者側にとって良いものであり、欲しいものとは、お客様にとって欲しいものである、ということです。分かりやすくするために極端な言い方をすると、良いものが売れると考えて開発している企業は、お客様ために開発しているのではなく、良いものを開発したいという自分たちのために開発しているのです。それで多くのお金をお客様からもらえるはずがありません。

この事実に気づくことができれば開発は簡単です。良いものでは無く、欲しいものを開発すれば良いのです。開発に成功し利益を上げている企業は、技術者を含めてお客さんとの対話を大切にします。お客さんに対して時間を使います。そして、お客さんの欲しいものを開発します。お客さんの欲しいものに集中し、欲しいものをそしゃくしていけば、欲しいものが開発できるようになります。そこに、必ずしも高い技術開発力は必要ありません。開発力が弱くても開発に成功している企業は、ここに時間を使っているのです。

御社は、良いものを開発しようとしていませんか?
お客さんが本当に欲しいものを開発できていますか?