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コラム第206話:突破力を発揮する社員の育て方


「先生、今度はこの開発に挑戦します。」
「面白いですね。Sさんなら成功できますよ。」
ご支援してきた開発リーダーSさんとの楽しい会話です。

その開発内容は・・・誰もが「やめておけ。そんなの絶対に失敗するぞ」と言う内容です。「成功できる」などと言う人は普通いない、そんな挑戦的な内容です。ですが、Sさんならできるはずです。なぜなら、彼には、成功するための特別な条件がそろっているからです。

多くの企業で、挑戦的な開発を社員の方から意欲的に言ってくることなど、まずありません。多くの企業の多くの社員の実態は、指示待ちです。一部の優れた社員は、部分的に、あるいは小さなことでは、自分から動くこともあります。しかし、ことが挑戦的な開発となると話は別です。社員の方から動くことは、まずありません。

Sさんも最初から積極的だったのではありません。むしろ、以前は、真逆でした。社長が「やろうよ」と何かをうながしても、少しでもこれまでの仕事と違う内容だったり、わからないことや、やったことがない内容が含まれていると、できませんとはっきり言ったり、失敗しそうな要因をあげて無理だと主張したり、今他にやるべきことを並べたり忙しさを理由にするなどして、拒絶していました。強く命じれば、やったかもしれませんが、自ら積極的にやるなどということは、想像すらできない状態でした。

そんなSさんが、なぜ、変わったのか?

実は、たいしたことはしていません。やったことは、開発に成功するための仕組みを与えたこと、それだけです。より具体的には、目標を与え、その目標を達成するための手順を説明し、それを一つ一つ実践してもらっただけです。

目標の大切さは、改めてここで説明するまでもないことですが、難しいのは、社員が高い目標を前にして、立ちすくんでしまわないようにすることです。立ちすくむだけではなく、不安から、以前のSさんのように、できない理由を並べたり忙しさを理由に今の仕事に逃げ込むといった、不安行動を起こさないようにしなければなりません。そして、こういった不安からくる後ろ向きな行動を前向きな行動に変えなければなりません。

そのために、高い目標を、一つ一つできるレベルの手順(ステップ)に分解し、それを一つ一つ、正しい順番で、実践させることが肝要です。特に、このとき、順番を間違わないことが重要にになります。正しい順番で一つ一つ実践していくと、本人も気づかないうちに目標に近づいていきます。それとともに、必要な実力が養われていきます。

しかし、それだけでは、消極的で後ろ向きな人が、積極的で前向きな人に変わるところまではいきません。進んではいる、やれてはいる、少し自信も出てきた、でも、本人はまだまだ不安で一杯。積極的に自分から動く、そんな状態ではありません。

けれど、Sさんがそうであったように、これが劇的に変化する瞬間があります。劇的に変わる瞬間、それは、目標を達成したとき、すなわち成功した瞬間です。この瞬間に人は変わります。最初、自分自身ができないと思っていたことが、やれた、という成功体験、この成功体験は、人を変える力があります。

成功体験には、人を変える魔力があります。中でもリーダーとしての成功体験は格別です。あれほど消極的だったSさんを積極的な真逆な人間に変えたほどです。一つの成功体験でも十分な力がありますが、二つ、三つと成功体験を重ねると、もう病みつきになります。成功体験が忘れられず、また成功したくて、次々と挑戦するようになります。成功した起業家が何度も挑戦するのと同じ状態です。こうなると、もう誰にも止められません。そして、その状態に至った挑戦者は、成功するまでやり抜きます。ですから、失敗に終わることはありません。Sさんは、既にこの域に達しており、今度も成功するはずです。

Sさんのような突破力を発揮する社員を育てるためには、成功する仕組みを与え、成功体験をプレゼントすることです。一つ一つ、わかりやすい手順を示し、やらせてみて、ほめて、のせて、外部の雑音から守り、支え、期待し、待つことです。決して、できないことを嘆いたり、責めたり、急かしたりしないことが大切です。

御社は、社員に 成功体験 を与えていますか?
成功をおぜん立てしていますか?