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コラム第203話:ハード開発もソフト開発も本質は同じXXしては儲からない


「やっぱりこれからはソフト開発の時代ですよね?」
ある設備メーカーの経営者から声をかけられました。

発言の真意がわからなかったので詳しく聞いてみます。すると、過去に顧客の要望に応えて製品(ハード)の開発を何度かやってきたものの、投資がかさんでほとんど利益にならなかった。ソフト開発ならそれ程投資はかからないし、世の中もソフト開発の流れだから、これからは、ハードよりもソフト開発に力を入れたいという主旨でした。

さて、結論から申し上げると、ハード開発で儲けられなかった企業がソフト開発に力を入れると、結果は・・・同じです。やはり儲けることはできません。なぜなら、開発する対象をハードからソフトに変えたところで、儲けられない原因はそのまま残っているからです。

確かにハード開発には設備や試作費等の投資が必要になります。ソフト開発の方はその部分をさほど必要としません。その分、魅力的に見えるのかもしれません。実際には、人件費と時間は、むしろソフト開発の方がかかるのですが、それはさておき、頭の中を整理しないといけないのは、開発への投資の大小と、儲かる儲からないは別問題ということです。そこを同一視して、ソフトなら儲かると、人と時間をかけてソフトを開発しても、やはり儲けることはできません。

問題は、これまでのハード開発で、なぜ、儲けられなかったのか?です。そこに目を向ける必要があります。

この企業の過去の儲からなかった開発内容を詳しく聞いて掘り下げていくと、原因がはっきりしました。この企業が儲からなかった原因、それは、「取り換えのきく開発という作業をしていたこと」にありました。

この企業は、顧客の要望通りに、設備を造る作業をしていたのです。「顧客の要求を満たすために設備を開発した」と言えば聞こえは良いのですが、その実態は、顧客の要求仕様にそって、他の企業にもできる製作作業をしていたのです。

これでは、儲かりません。開発という名の製作作業をしているだけでは、儲かりません。その作業賃しかもらえないからです。しかも、取り換えがききます。他の企業にもできることです。そして、この感覚のままソフト開発をしても、ハードと同様に、ソフト作成という作業をするだけになります。そして、やはり作業賃しかもらえません。儲けることはできないのです。

ハードでもソフトでも、お客さんにどんな価値を提供するのか?ここが大切です。

提供する価値を定め、その実現のために、必要なハードとソフトを開発する。そこにハードもソフトも区別はありません。価値の実現に対して、ソフトの寄与が大きければ、ソフト開発が主体になるでしょうし、ハードの寄与が大きければハード開発が主体になります。場合によっては、ソフトだけ、あるいはハードだけで実現できるケースもあるでしょう。しかし、それは開発する価値次第でケースバイケースです。本来、どちらかの開発に特化する話では無いのです。

開発しているつもりなのに儲からない。そんな時は、価値の開発では無く、開発という作業をしてしまっていないかどうか。今一度確認する必要があります。

御社は、儲かる開発をしていますか?
作業では無く、価値を提供していますか?