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コラム第195話:脱指示待ち、製造業が目指すべき成長の3段階とは?


「新しいことをやりたいのですが、社員が指示待ちで考えてくれません。まず、社員を何とかしないと・・・」

社員が、言われたことやお客さんから指示されたこと、これまでと同じことしかやらない。やれるのは平凡な安い仕事ばかりで儲からない。何とか、もっと儲かる新しいことをやりたいけれど、社員が指示待ちでは・・・というある経営者の嘆きです。

これに対して、次のようにお伝えしました。
「でも、言われたこと、頼まれたことは、きちんとできる、と言うことですよね?」
「それは、そうですが・・・」
「では、社員が頼まれたことをきちんとできるようになったことを、まず、喜ぶべきですよ。その上で・・・」と話を続けました。

この方のように、社員が言われたことしかできないとか、これしかできないという嘆きを経営者の方から聞くことがあります。しかし、外から見れば、社員は頼まれた仕事をきちんとやっています。頼まれた生産品を品質、コスト、納期をきちんと守って製造しています。これができていることは立派なことです。

品質を保てずに不良品を出す、決めた製造コストを守れない、納期が遅れる、これでは、事業が成立しません。まず、そこがきちんとできているのであれば、それを喜ぶべきですし、それができている社員を評価するべきです。

この品質、コスト、納期を守るというのは、製造業の基本であり、まず、これがきちんとできるようになるのが、製造業が目指すべき、成長の第一段階です。

ところが、製造業が品質、コスト、納期を守れるようになり、この第一段階をクリアすると、成長が鈍化し、会社が停滞期に入ります。すると、経営者はそこから抜け出したいと考えるようになります。そして、言われたことをきちんとできるようになった社員に対して、言われたことしかやらないと不満を持つようになります

しかし、これは、社員が悪いのではありません。そうではなく、会社が停滞期に入ったのは、ここまで成長してきたあかしとして、会社を次なる段階へ進めよ、という経営者に対する合図なのです。

社員が言われたことしかやらないという不満を感じたら、会社を次の段階に進めるべきときです。社員のことを嘆くのではなく、経営者が会社を次の段階に進めることです。

そのために経営者がすべきことは、次の段階の仕事を社員に与えることです。

次の段階の仕事とは、「こんなの作れない?」といった、要望がぼんやりした依頼や簡単にはできそうにない挑戦的な依頼です。経営者は、こういった仕事を社員に与えて、お客さんの期待に応えさせることです。

言われたことをきちんとできるようになった、まじめな社員は、お客さんの要望に応えようと必死に頑張ります。どうやったらできるかと、懸命に頭をひねり努力します。そこから、新しい加工技術や製品が生まれてきます。そして、気が付けば、社員が大きく成長していることになります。

社員が言われたことしかできないのは、経営者が、そういった仕事しか与えていないからです。言われたことをきちんとできるようになったのであれば、さらなる成長のために、次の段階の仕事を与えなければなりません。それは、「こんなの作れない?」といった、技術開発を伴う挑戦的な仕事です。そういった仕事を与えることで社員は成長し、開発できるようになります。

当社では、この第2段階に進んだ製造業のことを開発型企業と呼んでいます。品質・コスト・納期を守れるようになった企業は、この開発型を目指すことです。

そして、この開発型も、社員が成長し企業が成長してくると、いずれ頭打ちになってきます。「こんなの作れない?」というお客さんの要望に応え続けた結果、お客さん側から出てくる要望に応え尽くし、新たなネタが無くなってしまうのです。

こうなった企業は、第3段階に進まなければなりません。経営者は、社員に対して第3段階の仕事を与えなければなりません。

それは、「お客さんが欲しいのは、これでしょ。」と、こちらから提案する仕事です。

この段階に進んだ企業のことを当社では開発提案型企業と呼んでいます。ここまで進むと、お客さんに左右されずに、自社のペースで事業を切り開いていけるようになります。

「これを作って」から「こんなの作れない?」の開発型へ。そして、
「こんなの作れない?」から「欲しいのはこれでしょ?」の開発提案型へ
これが、社員を育て製造業が成長していく成長のステップです。

御社は、社員に挑戦する仕事を与えていますか?
社員に、考える仕事を与えていますか?