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コラム第179話:現状を変えようとする企業とがまんする企業の経営者の違い


「先生、今度は、これをやろうと思っているのですよ。」
ニコニコしながら、次の開発ネタを明かしてくれます。詳しくお聞きすると、なるほど面白い、ワクワクする内容です。

すると、同席していた社員が困り顔で言います。
「先生、またですよ。」

また、仕事が増える、また、たいへんになる、また、振り回される・・・きっとそういう意味でしょう。「やれやれ」といったところでしょうか。しかし、その表情には不思議と明るさがあります。また、たいへんになると思いながらも、どこか楽しみにしている、そんな雰囲気です。

じつは、この企業の足元の業績は堅調です。これまで数々の開発に挑戦してきたおかげで、現在のコロナ禍でも、それほど業績は落ち込んでいません。傍から見れば、「もうこれ以上、新しい取り組みは必要ないのでは?」と思えるほどです。

しかし、この社長は挑戦を続けます。現状に全く満足していません。満足していないどころか、不満だらけです。もっと良くできる、もっと成長できる、その思いで挑戦を続けます。そんな企業と仕事をするのは、とても楽しいものです。「この企業は、いくつか失敗はしながらも、さらに成長していく」そう予感させます。

一方、話をしていると、業績が低迷し、深刻な現状を語る経営者がいます。
「それは、たいへんですね。何とかしないといけないですね。」と言うと、
「ええ、何とかしたいのです。」と深刻な表情で語ります。

ところが、「これまでは、どんなことをしてきたのですか?」と聞くと、
「それは・・・何とかしようにも、こう景気が悪くては・・・取引先が発注を絞っている状況なので・・・そもそも、業界全体が止まっているので・・・」
と、自社ではどうにもならないという理由が並びます。そして、ひたすら耐えて、がまんしています。傍らで聞いていた社員は、暗い表情を浮かべ、一言も語りません。

冒頭の企業とは、対照的です。

なぜ、冒頭の企業は堅調な現状にも満足せず挑戦を続けるのに対して、後者の企業は厳しい現状にも関わらず、がまんしてしまうのでしょうか?

その違いは、ほんのわずかなことです。

何人もの経営者を見てきて感じるのは、結局、経営者が、現状を変えられると思うか、変えられないと思うか、これだけの違いです。経営者の気持ちの持ちよう一つなのです。

変えられると思えば、変える糸口を見つけては、挑戦を続けます。そして、そのうちのいくつかを実現させ、本当に現状を変えてしまいます。

一方、変えられないと思えば、その判断を正当化しようとします。そして、無意識に変えられない理由を探します。目にとまるのは、景気が・・・とか、業界が・・・とか、政府が・・・とか、自分達ではどうにもならない理由です。自分達ではどうにもならない理由を見つけて、変えられない状況を正当化します。そして、景気や業界に不満を言いながらも、ひたすらがまんすることをします。

気をつけないと、この現状は変えられないという思いは、次のことに行き着きます。
それは、「あきらめ」です。

業績がさらに下がっても赤字になってもひたすらがまんし、最後はあきらめてしまいます。こうなっては、もはやどうにもなりません。

そうならないためには、現状は変えられると信じ、突破口を探すことです。
決して、あきらめないことです。

御社は、どん欲に現状を変えていっていますか?
必ず突破口はあります。信じましょう!