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コラム第177話:危機の中でも会社を次のステージへと導く明るい未来の示し方


「先月の売上は1/〇〇。XXの大赤字。笑っちゃうくらいのあり様です。」
社員もいる前で、社長が現状を包み隠さず話します。

しかし、社長の表情に悲壮感はありません。生気がみなぎり、目の奥には、強い闘志が見て取れます。

そして、社員にも聞こえるように、はっきりと言葉を続けます。
「でも、開発は止めませんよ。」
その語気には、強い自信が感じられます。

これは、数年前まで受け身型だった、ある企業の社長の言葉です。しばらく前から開発型になってきたなと感じていたのですが、この言葉を聞いて、すっかり開発型が板についてきたなと感心しました。

なぜ、板についてきたと感じたのかと言うと、この会話は、受け身型の企業ではありえないからです。

そもそも、受け身企業では、開発するなんてことはほとんど無いのですが、それ以前に、危機的現状を包み隠さず社員に話すことがほとんどありません。多くの場合、現状の最も厳しい部分は隠し、オブラートに包み、かなりやわらげて社員に伝えます。そして、「大丈夫だから、何とかなるから」と話し、社員の動揺を抑え、安心させようとします。

その上で、経営者の責任として何とかしようと、資金集めなどに奮闘します。その間、不要不急は停止し、社員は休ませます。そして、危機が去り、受注が戻ってくるのをひたすら待ちます。

しかし、この間、社員が安心することはありません。むしろ、本当にこの会社は大丈夫だろうかと不安を募らせることになります。社員も現状が厳しいことには気づいています。しかし、どのくらい厳しいのか具体的に正確な部分は分かりません。分からないので、想像は膨らみ、むしろ不安は増大します。しかも、仕事が無いので不安を募らせる時間はたっぷりとあります。空いた貴重な時間は、不安をつのらせることに消費されてしまいます。そこからは、何も生まれることがありません。

なぜ、多くの企業が、社員に危機を正しく伝えず、隠そうとするのか?
それは、危機を乗り越える自信が無いからです。

そして、それは社員に見透かされています。自信の無さを感じるから、不信が生まれ、不安が増大します。

危機を乗り越え、会社を次のステージへと導くためには、現状の危機を社員と共有し、必ずこの危機を乗り越えるという自信を示し、将来に対する歩みは絶対に止めないという姿勢を示すことです。

冒頭の社長は、これをきちんと実践されています。
この会社では、今も立ち止まることなく、将来に必要なことを全力で社員が進めてくれています。1年後、3年後がとても楽しみな状況で、こちらも見ていてワクワクしてきます。

危機を乗り越えた先の未来を自信を持って示すこと。
そして、社員を止めず、社員の力を引き出し続けること。

これができた企業と、社員を止めた企業との その後の差は計り知れないものになります。

御社は、乗り越える自信を示し、社員とともにいまも走り続けていますか?
社長が信じる先に、会社の未来があります。