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コラム第136話:社員の前向きな行動の引き出し方


「必ず成し遂げます」
社長との会話の中で自発的に出てきたある開発リーダーの言葉です。

社長から発言を求めたのではなく、リーダー自らが自然に発したセリフです。目は、自信と希望に満ちています。とても半年前にリーダーになることを恐れ、敬遠していた同一人物とは思えないほどです。そんなリーダーの人生の転機にお手伝いできたことは、とてもうれしく、また、とても光栄なことです。

一方で、「社員が自ら考えようとしない、自ら行動しようとしない」と愚痴をこぼす社長がいます。冒頭のリーダーを育てた社長も最初はそうでした。当社に相談に来られたころは、「社員にやる気が感じられない」とひどく嘆いていました。ところが、半年後には見違えるほど変わりました。

一体、この社長は何をしたのでしょうか?

社員が行動しようとしない原因には、「何をしたら良いのかわからない」そして「どうしたら良いのかわからない」というものがあります。この対策は、当然ながら「やること」と「やり方」を示すことです。社員が、やることや、やり方が分からず行動できずにいる場合は、これで解決します。

しかし、そうであるケースはまれです。大抵の場合は、これだけでは、自ら動くようにはなりません。それは、やることや、やり方が分からないために動けないでいるケースはまれだからです。社員に動けない理由を問うと、やることや、やり方がわからないことを理由にしますが、実際には、それだけではないのです。動けない、動かない原因が他にあります。ここに手を打たずに、やることを決め、優れたやり方を伝えても、実行されることはありません。絵にかいた餅になってしまいます。

やることや、やり方とは別の、社員が動かない原因とは何でしょうか?

それは、人が動くのに欠かせない、「思い」です。

「ここを目指す」「これをやりたい」「これを実現したい」そう言った社長の「〇〇したい」という思いを伝え、やることに対して魂を入れているかどうかです。

こう言うと、「ちゃんと伝えている」と主張する社長が多くいます。ただ、本当に思いを込めて、魂を入れて伝えているでしょうか?機械的に、何度か話しただけではないでしょうか?

社員に伝わり、社員が動き出し、社員が継続し、社員が成し遂げるまで、何度も何度も、本当に何回も、社員が根負けするほど語り続けているかどうか?

冒頭の社長は、半年間、自身の思いを伝え続けた結果、それでもなかなか動きが鈍かった社員が、ある時期から急速に動き出しました。

人の意識は、簡単には変わりません。本当に思いが通じ、社員が動き出すためには、長い時間が必要です。最初は全く動かなくても、何度も何度も何度も伝え続けていると、少しずつ伝えた思いが蓄積され、ある臨界点に達したとき、急激に変わり始めます。

社員を信じて、辛抱して、社長が思いを語り続けられるかどうか、ここにかかっています。

御社は、社長の思いを社員が根負けするほどに語り続けていますか?