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コラム第119話: 熱心に学んだ経営者が、最後の最後に間違えること


「それは、わかっています」
先日、ご相談を受けたある経営者の言葉です。

ご相談を受けて、開発に必要な要素をいくつか説明したところで、しびれを切らしたように「それは、わかっています。それから、〇〇ということも、××ということも知っています。それから・・・」と、ご自身がわかっていることを次々に説明してくれました。率直に言って、かなりの勉強家です。様々な所で他社の成功例や成功者の知見を見たり聞いたりして、熱心に学んできたことが伝わってきます。

そうして、一通り、学んできたことを話し終わった後に、その方が抱える深刻な悩みが出てきました。「実際にやると、上手くいかないんです」と。その方の顔には、「様々なことを勉強し、その通りにやっているのに、なぜできないのか?」といういら立ちが見えました。同時に、「今まで学んできたことでは不十分で、もっと大切な知見が別にあるに違いない。それを知りたい。」そんな気持ちが伝わってきました。

一呼吸置いた後、ところで、どういう風にやってきたのかを詳しく聞いてみました。すると、「なるほど、できない訳だ」と、すぐにできない原因に行き当たりました。しかも、それは非常に初歩的な原因でした。それにも関わらず、当の本人は、その原因に全く気づいていませんでした。その証拠に、原因を指摘しても、その方は、「ぽかん」としていました。思いもよらない指摘に、最初は何を言われたのかもわからない、そんな状態でした。

このように、自分が思っていたことと全く別のところに原因があるというのは、特殊な例のように思うかもしれませんが、非常によくあることです。そして、その場合、思い込んでいる本人が真の原因に自分で気づくことは、まずありません。思い込んでいるという事実に気づくことができないからです。ひたすら、自分の信じる原因を追究し、いつまでも解決しないということを繰り返します。

怖いのは、経験を積めば積むほど、年齢を重ねれば重ねるほど、知識を増やせば増やすほど、思い込みに気づくことは難しくなっていくという点です。「自分は、わかっている」という自信が、わかっていないことに気づく感度をどんどん鈍らせていくからです。

これを防ぐためには、経験を積み、年齢を重ね、知識を増やすほどに、「謙虚さ」を持たなければなりません。

わかっているのに、上手くいかないとき。それは、間違いなく「わかったつもり」になっているときです。立ち止まって、見つめなおす、他者の意見に耳を傾けるべきときです。自分たちは、何がわかっていないのか?これを謙虚に学ばなければなりません。

人間、すべてを知り尽くすことは、一生、できないのですから。

そして、熱心に学んだ経営者が、最後までわからずに最後の最後に間違えること、真の原因であるにも関わらずそれと気づかずにやってしまうことがあります。冒頭の経営者の方も、ここに気づかず、ここを間違っていました。

熱心に学ぶ経営者が最後の最後に間違えること。
それは、「順番」です。

開発に必要な個々の要素については、非常によく勉強してわかっている。よくわかった上で実践してきた。ところが、上手くいかない。その原因は何か?

それは、「順番を間違えたから

「それだけ?」と思われるかもしれませんが、それだけです。順番を間違えていたために、すべてがおかしくなっていました。これは、非常によくあることです。

みなさん、個々の要素については、非常によく勉強されています。知識も十分です。少なくともそういった企業はたくさんあります。それにも関わらず、上手くできている企業は少ない。その原因は、個々の要素をバラバラに実施したり、順番を間違えていることにあります。個々の要素のつながりや順番がわかっていないのです。

各要素は、順番通りに、きちんとつなげて実施して、初めて成功します。どこか一つでも順番を間違えたり、途中の要素を飛ばしたりしただけで、上手くいかなくなります。ここに難しさがあります。そして、すべての要素を順番通りにできるようにすることこそ、仕組み作りのキモです。順番を飛ばしたり、省略したり、入れ替えたりしないように仕組みを作ること、これが大切になります。

ほんの些細な順番の違いが、結果に巨大な差をもたらすからです。

御社は、学んだ要素のつながりと順番をきちんと理解し、順番通りに実施していますか?
各要素を理解しただけで、わかったつもりになって、やりやすいことから初めていませんか?
何より、そのことに気づけていますか?