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コラム第118話: 高い目標を達成し社員を飛躍させる秘訣


「先生、難しすぎます」

先日、ご支援している企業で、目下、開発リーダーとして修業中の社員からあがった悲鳴です。

この企業は、開発などやったことがない企業です。しかも、リーダーとして選んだのは、営業出身の社員です。当初から、この選ばれた社員は、不安でいっぱいでした。ただ、それでも、考え方を理解するにしたがって、徐々に取り組み始めました。しかし、取り組みが進んで、さらなる目標を提示したときです。ついに、冒頭のセリフがでてきてしまいました。

何とか弱音を吐かずに頑張ってきたものの、これから先の目標の高さに、ついに音を上げてしまったのです。

このような、高い目標に対して、社員が挫折しそうになったときに、経営者がどう対処するか?

社員に成長の機会を与える企業と、社員の成長の機会を奪う企業とでは、このときの対応に大きな違いが出ます。

まず、間違ってもやってはいけないことがあります。

それは、目標を下げることです。

今の社員には、この辺りが限界、目標が高すぎて自社の社員に達成は無理、経営者がそう感じたとき、つい、目標を下げたくなります。確かに、目標を下げることで、社員は再び取り組み始めるかもしれません。そして、達成できるかもしれません。

しかし、決して忘れてはならないことがあります。それは、目標を下げそれを達成したとき、社員は、そこで満足してしまうということです。満足した瞬間、その社員の成長は、そこで止まってしまいます。

怖いのは、一度、この「目標が下がって何とかなった」という経験をしてしまうと、その後も常に目標を下げようとすることです。目標を下げることで達成しようとしてしまいます。そして、それを繰り返しているうちに、いつしかできることしかしなくなる、成長しない社員ができあがってしまいます。この「できることしかしなくなる」状態に陥ってしまうと、社員の成長は永久に止まり、ひいては会社の成長が止まってしまいます。

では、どうしたらよいのか?

「あきらめるな!」
「がんばれ!」

と、さらに追い込むべきでしょうか?

これも、経営者がよくやってしまうことですが、これまた、間違いです。

全く取り組んでいない社員ならともかく、曲がりなりにも新しい取り組みにチャレンジし、何とか進んできた社員です。音を上げた時点で、既に、相当に頑張ってきているはずです。そんな社員に、「がんばれ!」と追い打ちをかけたのでは、たとえ残る力を振り絞って頑張ったとしても、すぐに力尽きてしまいます。頑張っている人に「がんばれ」は、禁句なのです。

では、どうするか?

既に取り組んできた社員、頑張ってきた社員に対して、我々がすべきこと。それは、目標を下げることではありません。「がんばれ」と激励することでもありません。

目指す目標は変えてはいけない、けれども、その目標が高すぎて無理だと感じている、既に十分に頑張ってきた社員、そんな状態の社員に対して、どうするべきか?

まず、必要なことは、いったん目標から離れることです。

そもそも、目標を見続けてきたから、「もう無理」となったのです。そんな時は、いったん目標から離れることです。目標から離れ、原点に立ち返らなければなりません。

その原点とは、「目的」です。

何のためにやっているのか?
なぜ、これをすべきなのか?

取り組みの目的を再確認することです。まず、目的という原点に立ち返ること。これが重要です。

そして、さらに、さらに、重要なことがあります。

それは、目的に照らして、自分たちがどこまで進んできたのか、これまで歩んできた道のりを再確認することです。そのうえで、最も大切なことは、これまでに社員が達成したこと、社員の成長を「認めること」です。

取り組んできた社員が、「もうだめだ」とあきらめそうになったとき、この時にすべきことは、目標を下げることでも、激励することでもありません。

目的に立ち返り、これまでの歩みを振り返り、そして、これまでの歩みを、これまでの成長を認めることなのです。

話を戻すと、冒頭の社員とは、社長と一緒に、これまでやってきたこと、これまでにできたことを一つ一つ確認し、互いに認め合っていきました。すると、社員の不安が、スーーッと和らいでいくのがわかりました。

高い目標に、もうだめだ、と思ったとき、「残された距離に不安を感じ絶望するのではなく、やってきた実績に自信を深め希望を持つこと」これが肝要です。

人は、これまでの歩みを実感しながら一歩ずつ着実に登っていけば、気が付いたときには、とんでもない高さまで成長しているものです。

御社は、目標を下げたり、あきらめたりして、目的を見失ってはいませんか?
高い目標をかかげて社員に成長の機会を与え、その上で、社員の成長を認めていますか?