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コラム第109話: 地域密着型企業の弱みを克服する方法


「先生、世の中が、そんな風に動いているとは全く知りませんでした。早速、うちも対応して世界に打って出たいと思います。」

以前、ある地方企業の経営者との会話で出てきたセリフです。

環境は良いが、交通の便が悪い地方に居ると、つい出不精になるものです。この企業のように、ずっと地方に居て地方でやってきた会社では、よくそういう状態になります。世の中の情報や動きに触れる機会が少なく、どうしても取り残されるからです。

中には、ネット検索すれば、すぐに出てくる、多くの人が知っている、もはや当たり前になっている情報でも、知らない経営者の人もいたりします。そんな状況で、これまでビジネスを成立させ続けてきたのですから、それはそれで、たいへん立派なものです。

しかし、今まで通用してきたから、これからも通用するとは限りません。別に、脅すわけでは無いのですが、ある日突然、黒船がやってきて、環境が激変するといったようなことが、ビジネスの世界では、平気で起こります。

冒頭の企業も、まさに、そんな状況に立たされつつある企業でした。外から客観的に見て、相当に危険な状態で、今まさに危機がせまろうとしているタイミングでした。しかし、当の本人であるその企業の社長は、そのことに全く気づいていませんでした。それを教えたときの発言が、冒頭のセリフです。

「井の中の蛙、大海を知らず」とは、よく言ったもので、その社長は、本当に地方に居て、世の中の動きが見えていませんでした。

さて、冒頭の企業は、今回、世の中の動き、言ってみれば大海を知ったわけですが、これを知った後、どう行動するべきでしょうか?

この社長が言うように、世界と戦っていくべきでしょうか?

もちろん、答えは、Noです。

これまで地方に居て、地方に密着してきた企業です。言い換えると、ずっと井戸の中に居て、井戸の中で守られてきた企業です。そんな企業が、いきなり外の世界、大海に出たらどうなるか?

あっという間に大海の巨大企業に駆逐されてしまいます。とても対等に戦ってはいけません。

では、どうすべきか?

まずは、世の中の流れを取り込んで、地方で戦うことです。

「結局、井戸の中で戦うなら、大海を知る必要は無いのではないか?」

そう思う人も居るかもしれませんが、それは違います。大海を知った上で、大海から攻められる前に、それを先取りして井戸の中で戦闘力を高め、黒船の襲来に備えることです。

世の中の流れを利用すれば、地方での戦闘力を今までより数段高めることができます。そうやって外の力を取り込み、まずは、井戸の中で戦う力をつけることです。これを怠れば、外から攻められたらひとたまりもありません。

そうなる前に、井戸の中に居るという、自社の強みを捨てること無く、その強みをより高めることです。そうすれば、空の深さを知る蛙が、負けることはありません。

「井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の深さを知る」です。

御社は、いきなり大海に出ようとしていませんか?
世の中の動きを取り入れつつ、自社の強みを見失わないようにしましょう!