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コラム第102話:多くの企業がライバルと比較され、競争にさらされる理由


  「考えてみませんでした」 最近、当社のコンサルティングを受け始めた、ある経営者の方の言葉です。 この方の企業は、ある単一の加工を専門にやられている加工メーカーです。単一の加工のため競争が激しく、何とか競争に勝って生き残ろうと、必死に頑張ってこられた企業さんです。 ライバルに勝つために、改善、改良を積み重ねる。ライバルがやったことを素早く探知し、負けじと追随する。互いに改善、キャッチアップしながら、し烈な競争を繰り広げている。そんな状態です。 需要が伸びていれば、互いに切磋琢磨しながら成長していく、という良きライバル関係になりますが、需要は停滞しているため、顧客を奪い合っている状況です。さらに、ライバルが 1社ならまだいいですが、同じ地域でさえ、ライバルが複数社いて、激しい顧客の奪い合いになっています。 必然的に、過当競争、低価格競争になっており、収益もよくありません。たまりかねて、もっと優れた加工技術を開発したいと、当社に相談に来られました。 この方に当社がまずお伝えしたこと。それは、「競争しないこと」です。 競争意識が高いと、互いに競合と比較して争います。品質やコストなど、顧客から比較されやすい要素で争うことになります。その結果、顧客からますます比較されるようになります。顧客から比較されるので、そこでさらに競争する、競争するとますます比較される、という悪循環に陥ります。 悪循環を断ち切るためには、一旦、競争から離れることです。ライバルが意識していない、比較の対象にならないところに視点を移すことです。ライバルが注目していない、魅力を感じていないところにこそ、開発して儲けるチャンスがあります。 競争を避け、ライバルが意識していないところで密かに高収益を上げている隠れた優良企業が、世の中にはたくさんあります。そういった企業は、自らを宣伝せず、気づかれないようにしているので、わかり難いかもしれません。しかし、確実に存在します。そういう目で良く周りを見渡せば見つかるはずです。そして、そういった存在を目指すことです。 冒頭の企業には、ライバルが注目していない、ある方向の開発を指南しました。そのときの返事が冒頭のセリフです。最初は意外そうな表情をしていましたが、しばらく深く考えているうちに納得がいったようで、直ぐに、取り組みを始めました。今では、その方の目は、希望に満ち、視野は広がっておられます。 目の前の競争にとらわれると周りが見えなくなる 一歩引いて、視野を広げてみること。意外なチャンスがあるはずです。経営資源の限られる企業にとって、競争とは、挑むものでは無く、避けるものです。 賢く、立ち回りましょう!