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コラム第101話:緊急性の無いものを先送りし続けて良いのか


緊急事態を優先すべきか、将来の一手を優先すべきか   開発に踏み出せないか踏み出していても成功できていない企業と、開発に継続して取り組み一定確率で成功している企業、これら二つの企業の社長には、ある特徴的な違いがあります。 開発に継続して取り組み、一定確率で成功させる企業の社長には、「社長がよく外に出ている」という特徴があります。ほとんど社内には居ないという社長も多くいます。社長が自ら外に出て、世の中やお客様の変化を感じ、外側から自社を客観的に観察して、自社の事業や商品、製品、技術の次なる開発ポイントを見つけ出し、それを社内に持ち込みます。その結果、開発の成功率が高くなっています。 これに対して、開発に踏み出せないか踏み出していても成功できていない企業に多く見られるのは、あまり社外には出ない社長です。ずっと社内に居て社内で仕事をしています。いつも社内には何かしらの緊急事態が発生しており、その対処に振り回されている。あるいは、社内を見回り、自ら問題点や課題を見つけては、改善に取り組んでいる。一つの改善が終わると、再び社内を探して回り次なる改善点を見つけては、それに取り組む・・・ずっとこれを繰り返し、ずっと社内に居ます。そして、開発は社員に任せています。 どちらが社長として正しい姿かと言えば、間違いなく前者です。 誤解しないでほしいのですが、決して緊急事態への対処や改善をするべきではないと言っているのではありません。緊急事態への対処や改善は必要なものです。ですが、ここで問いたいのは、トップである社長が社内ばかりを見ている会社に、会社の未来はあるのか?ということです。 こう言うと、よく次のような反論が返ってきます。 社外の情報は、社員に取らせて報告させているので、知っている。一方で、社内には、緊急性の高い放っておいてはまずい問題があり、かつ、対策すればすぐに効果が上がる即効性の高い改善点が多くある。だから、そこをやっている。ただ、社外の情報も重要なのはわかっているから、社員に取らせて把握するようにしている。一体、これのどこが問題なのか?そういう反論です。 確かに、社外の情報を取っているか、取っていないかで言えば、問題ありません。しかし、ここで問題にしたいのは、社外の情報を取っているか取っていないかでは無く、社内への対処と社外への対処のどちらを優先しているか?ということです。 社内にずっと居る社長は、間違いなく社内の情報と社内への対処を優先しています。社内を優先しているから社内に居るのです。そして、多くの場合、社内を優先する理由は、その方が結果が出やすいからです。社内の問題には、緊急性と即効性があるためです。 ただ、あえて言うと、物事の緊急性や即効性と、優先順位は別物です。たとえ緊急性は無くても、即効性が無くても、絶えず取り組まなければならない優先順位の高い、重要な仕事があるのです。その最たるものが、開発です。 自社が提供している商品や製品、部品、加工、技術が、今、どんなに優れていても、いずれその価値は低下していきます。たとえ、改善、改良を積み重ねても、いつかは、価値の低下や陳腐化に追いつかなくなります。そして、最も認識しておかなければならないことは、価値が低下し、売れなくなってから、次の開発を始めても、もはや手遅れという事実です。 どんなに頑張ったところで、1日や1週間、1か月で、我が社の次の収益の柱となる商品や製品、技術ができることはありません。また、どんなに成功率を高めても100%成功するということもありません。ということは、今の事業が稼いでいる間に、常に、次なる開発には取り組んでおかなければならない、ということです。決して、緊急性が無い=優先順位が低い、と誤解してはいけません。 「わかっている。だから、社員に取り組ませている」そんな反論が聞こえてきそうですが、開発には、会社の将来がかかっているのです。そんな優先順位の高いことを社員に任せていいのでしょうか? 社長が社内で目先の対処に力を入れている中で、社員が外に出て会社の将来を必死に模索することがあり得るでしょうか?もし、そんな意識の高い社員が居るのであれば、今すぐ、その社員に社長を譲るべきです。なぜなら、会社の将来を一番に考えるべきなのは、他ならぬ社長だからです。 社長が会社の将来を必死に考え、行動している。そんな会社の社員は幸せです。安心して社内の今の課題に対応することができます。すべての会社の社長がそうあってほしい。心からそう思います。 もし、今、緊急事態が発生しているのであれば、大至急、対処し、一刻も早く優先順位を元に戻しましょう。緊急事態が長引くと、社長の時間と会社の未来が奪われてしまいます。