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第95話: ものづくりの原点を思い出そう

ものづくりの原点を思い出そう

ものづくりの原点を思い出そう 「加工しかやったことがないので開発をやる自信が無い」 先日、ご相談を受けたある経営者の言葉です。 ずっと、特定の加工を専門にやり続けてきた。改善、改良の努力を積み重ねてきたが、少しも経営が楽にならない。抜け出すためには、新たな加工技術や製品の開発が必要だと感じている。しかし、加工しかやったことが無いので、開発をやれる自信が無い。そういった悩みです。 製造方法や製品、商品の技術開発の支援をしている中で、加工しかできない、という悩みは、よく聞くものです。加工しかできない、だから、開発なんて無理、ということなんだと思います。 しかし、加工技術を磨き、国際競争の中で長く生き残ってきた、それだけで十分すごいことです。ですから、何もそんなに謙遜する必要はありません。必ずできるはずです。 そうお伝えしても自信が無い表情をされる方には、次の2つの質問をするようにしています。 一つ目は、「その開発は、本当にやりたいことですか?」という質問です。 なぜ、こんなことを聞くのかというと、経営者自身が苦しみから逃れたくて、なんとなく開発したいと言っているだけで、それ程強く思っていないというケースがあるからです。 このことは、開発において、とても大切なことです。「実現したい」という経営者の強い思いが、開発の原動力として必要だからです。さらに、開発の成功率や開発した技術や製品の魅力も、思いに比例します。 これこれこういうものを創り出して、世の中の人を助けたい、楽にしてあげたい、喜ばせたい、楽しませたい、そういった強い思い、それがものづくりの原点です。 買い物に行くのに苦労している母親を楽にさせたい、という思いからエンジンを開発したり、ストーブに灯油を入れるのに苦労しているのを見て、給湯管を開発したり、過去の偉大な開発の成功の裏には、経営者の強い思いがあります。 強い思いも無く、なんとなく、では、良いものはできません。まずは、何を成し遂げたいのか、真に成し遂げたいことをはっきりさせること、自問自答することが大切です。 ものづくりに関わる人には、必ず何らかの思いがあるはずです。日々の仕事に忙殺されて忘れてしまった思い、それを思い出してほしい。 中には、思い無く、ものづくりをやっているという人もいるかもしれません。それでも、折角、ものづくりをやっているんだから、やれているんだから、何かを成し遂げたくはないですか? 必ず、自分の奥底に、実現したいものが見つかるはずです。 やったことが無いとか関係ありません。「やりたいなら、やればいい」 やりたい、実現したい、という強い思いを持っていれば、必ずその実現方法は、思いの主にもたらされます。そういうものです。 「そういう強い思いを持っている社員が居ないんだよなー」と言っているようではいけません。まず、経営者に思いが無ければ。経営者自身が自らの思いを燃え上がらせる人でなければなりません。 二つ目の質問です。それは、「やってみましたか?」という質問です。 先に書いたように、過去に成し遂げられた偉大な開発の裏には、開発者の強い思いがあります。しかし、思いを持った時点で、やり方や解決策がはっきりしていた開発はほとんどありません。さらに、開発などしたことは無く、初めてやったケースも多い。むしろ、最初の開発は、強い思い入れがあって成功したが、次の開発では、やり方に頼ってしまって、魅力のない製品になってしまった、というケースの方が多くあるほどです。 皆、最初は経験なんかありません。経験が無い中で、トライアンドエラーを繰り返しながら実現を目指しています。 重要なことは、まず、やってみること。それで上手くいけばラッキーだし、もし、だめだったら、このやり方はだめだ、と次のやり方に切り替えればいい。 やれるまで続ける。だって、やりたいんだから。それだけのことです。 なぜ、やってみないのか? 本当にやりたいと思っていないから、ではないでしょうか? 御社は、今、本当に実現したいことをやっていますか? 思いを眠らせたままにしておくことは、社会にとって損失です。 心の底にある思いを是非、実現しましょう。