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第89話: 開発には、余裕があるから取り組むのか、余裕がないから取り組むのか?


新規開発は余裕ができてから取り組むもの? 「新規開発に取り組みたい。でも、社内の反発や混乱を避けるために、もう少し業績が向上してから・・・」 先日やり取りした、ある経営者のお言葉です。 実は、開発に関心を示す経営者のかたで、こう話すかたが非常に多くいます。今はまだ開発に取り組む余裕が無い。もう少し、余裕ができてから、というものです。 しかし、残念なことに、これらの企業の多くが開発に取り組めるようになることはありません。 皆さん、このままではまずい、新規開発に取り組まなければ・・・と真剣に考えています。そして、必ずや業績を向上させて、開発に取り組むと意気込んでいます。しかし、その後、実際に開発に踏み切れるようになることは、極めて まれ です。 理由は単純です。 社内の事情を優先しているからです。 業績が横ばい、低迷している原因の多くは、外部環境の変化に対応できていないことにあります。これまでの社内の事業、商品、体制、やり方、すなわち社内の事情が、通用しなくなった結果です。それにも関わらず、社内の事情を優先して業績が向上することを待っていても、そうなることはありません。外部環境が、社内の事情を考慮してくれることは無いからです。 業績向上に向けて優先して取り組まなければならないことは、まず、外部環境の変化に合わせて社内を改造し、外部の変化に対応できるようになること。そうなって初めて業績向上の準備が整うのです。 反発や混乱を恐れて、社内に手を加えずに業績向上を待っているのは、運を天に任せているようなものです。ほとんどの場合、永久に業績が上向くことはありません。 仮に、運よく取引先の好調さに恵まれ、受注増によって業績が向上したとしても、それで新規開発への気運が高まることはありません。今度は、「好調な受注に応えるのに忙しく、とても新しいことに取り組む余裕が無い」という新たな社内の事情が優先されることになるからです。こうして、取引先に依存する体質が続いていくことになります。 社内の事情を優先している限り、業績に余裕が出ても、新規開発に取り組むことはありません。開発に取り組めない、取り 組 ま な い 原因は、業績では無いのです。 もちろん、赤字の時など緊急時に、人員削減や資産売却などで一時的に業績回復を図らなければならない時はあります。しかし、それは一時的な処置。その後、それだけで業績が上向くほど市場は甘くありません。赤字でも無い限り、新規事業への種まきは、常に取り組むべきものです。決して、社内の事情を優先して、外部環境への対応を怠ってはいけません。 経営者が、外部環境の変化に十分に対応できていないと感じた時。それは、新規取り組み、開発が直ぐに必要な時です。 業績が向上したら・・・などと、条件を付けて先延ばししている余裕は無いはずです。