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第72話: 技術は何のためにある? 自社技術の用途を探しても見つからない理由

自社技術の用途が見つからない理由

自社技術の用途が見つからない理由 「自社技術の用途を見つけたいが、なかなか見つからない」先日お会いした、ある経営者の方の悩みです。 新製品、新商品の開発を考える製造業の方の多くが、同様の悩みを抱えています。背景にあるのは、既存の製品や商品の伸び悩みや尻すぼみといった、先行きへの不安。それから、下請けの苦労から抜け出したいという、思い です。 こういった背景から、新製品、新商品の開発に取り組もうとしたとき、最初に考えるのが、自社の売りは何か、ということです。思い至るのは自社の技術。今持っている技術の新たな使い道を見つけて、新分野開拓、販路拡大につなげられないか? そういう風に考えます。 ところが、これがなかなか上手くいきません。 使い道を色々考えてもコレといった用途が思い浮かばない。ちょっと適用できそうなものを思い付いても、少し調べてみると今使われている技術から置き換えるだけのメリットが無い。色々な会社に聞いてみたり、展示会に出展して来場者から意見を聞いてみても、どうもしっくりこない。こういうことが起こります。 なぜでしょうか? 製造業は、長年に渡って、品質、コスト、納期を追求し、改善を重ね、特定の製品や商品の技術を高めてきました。ある製品や商品に特化した 専門技術を高めることで、他社との差別化を図ってきた歴史があります。その結果として、技術が高ければ高いほど、その専門度が高く、汎用性が失われています。そのために、他の使い道を探そうとすると簡単には見つからない、ということが起こってしまいます。 このとき、用途が見つからないからといって、やってはいけないことがあります。 それは、何かに使ってもらえないかと、お願いして回ること。用途が見つからず途方に暮れ始めると、どうしてもこれをやってしまいます。しかし、これをやってしまうと、虎の子の技術を買いたたかれます。下請けから抜け出したいと思っていたのに、引き続き、下請けを続けることになってしまいます。 このように、自社技術の用途探し、別の言葉で言い換えると、ニーズ探し、は思うようにいきません。 では、どうすべきなんでしょうか? 世のマーケティングの専門家が言うように、市場のニーズに目を向けることでしょうか。市場のニーズをとらえ、ニーズにあった製品、商品を開発することでしょうか。 確かに、自社の専門技術に合った特定のニーズを探すよりは、市場のニーズを広くとらえ、その中から自社にできることを見出し、製品や商品を開発する方が、ニーズを見つける難易度は下がります。しかし、このことは、ライバルにも同じことが言えるため、こういった開発は、競争率が高くなりがちです。しかも、自社の強みはあまり活かされていない。その結果として、苦しい戦いとなります。例えるなら、武器を持たずにたくさんの競合と戦う状況です。勝てる手段は、値段くらいとなり、価格競争、低収益という結果になりかねません。 やはり、強みである、技術を活かしたい。 そのために、是非、気づいてほしいことがあります。 それは、「技術には、ニーズを作り出す力 がある」ということ。 ニーズを探したり、合わせたりするのではなく、技術を使って、ニーズを作り出すこと。これを目指したい。 成長する開発型企業は、このことが良く分かっています。分かったうえで、技術を使って、市場に仕掛け、提案し、自分でニーズを作り出しています。 スマートフォンが、どれだけの用途、ニーズを生み出したでしょうか。もともとは電話という用途だったものが、写真を撮り、メールを送り、SNSを生み出し、財布の役割を果たし、移動サービスにも使う。ちょっと考えただけでもたくさんの用途が思い浮かびます。これらの用途、ニーズは、初めからあったものではありません。開発型企業が、様々な技術を使って、提案という形で市場にしかけ、需要を喚起し、ニーズを作り出したものです。 技術には、ニーズを作り出す 力 があり、その技術を有する製造業には、ニーズを作り出す 潜在力があります。そして、成長する開発型企業の多くは、その力を発揮しています。力を活かさない手はありません。 次は、あなたが力を発揮する番です!!