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第24話: 顧客の内製化対策

第24話:顧客の内製化対策

第24話:顧客の内製化対策
顧客からの依頼を受けて、苦労して開発し、なんとか無事に量産を立ち上げ、その後、順調に生産数が増えて いよいよ投資を回収できる、といった段階になって、突然、顧客が内製化を始めてしまう。
 
今日は、前職時代に何度か見てきた、製造業が抱えるこの問題について書いてみたいと思います。
 
大手の製造メーカーが、商品の一部の製造を外注しているケースにおいてこの問題は起こります。 ・生産数が増えてきて量産のうま味が出てきた場合 ・逆に自社工場の全体の生産数が減少してしまって、数を確保したい場合 ・外注費のコストダウンやコストコントロールを図りたい場合 などなど、大手メーカーは、様々な理由で内製化を進めます。
 
しかし、開発、量産立ち上げに協力した外注メーカーにとって見れば、数の増大を期待して苦労して立ち上げたのに、いざ数が増えてきたら内製化されたのではたまったものではありません。
特に、比較的 開発力のある優秀なメーカーほど、この問題にさらされる傾向があり、日本の開発力の維持、向上という側面からも大きな問題です。
 
では、外注メーカーは、この問題に対して、どんな対策が取れるのでしょうか?
 
製造特許を押さえることでしょうか。 製造ラインを見せずに秘密にすることでしょうか。
 
いずれも上手くいけば効果がありますが、なかなか上手くいきません。
製造特許は、多くの場合、最終商品を見てもわからないため、仮に特許侵害していても証拠をつかむのが大変難しいというのが実態です。 また、大手製造メーカーとの共同開発の場合、独占特許にするのが難しいという課題もあります。
次に、製造ラインを秘密にすることですが、これも大手メーカーの工程監査があった場合や、ラインを見たいとの要求があった場合、断れないのが実情です。
 
そもそも この問題はどうして生じるのでしょうか。 それは、外注メーカーにとって、大手メーカーは、「買ってくれるお客様であると同時に、同じものを作る製造のライバルという極めて特殊な状態にある」ためです。
 
本来なら、製造のライバルですから、製造ラインを見せるなど、ありえません。 しかし、買ってくれるお客様ですから、信用してもらわないといけません。 品質確認のため、ラインを見たいと言われたら断れません。 大手メーカーから外注されたメーカーは、この矛盾、ジレンマを抱えてしまっています。
 
さて、どう対処したらよいのでしょうか。
 
逆から考えてみましょう。
大手メーカーは、自社に開発部門を持ち、しかも自分で製造できるのに、なぜ、開発、立ち上げを外注するのか、、、
 
それは、外注メーカーの開発力、量産立ち上げ力に 「魅力」を感じているからです。
外注メーカーをよく使う大手メーカーの製造部門は、往々にして開発力に欠けているケースがあります。 そのため、外注メーカーの開発力、量産立ち上げ力に「価値」を感じて、依頼しています。
価値を感じて頼んできているのですから、このような依頼に対しては、きちんと開発力、量産立ち上げ力に対して、対価を請求することです。
内製化に対して感情的な拒絶があるかもしれませんが、冷静にビジネスで考えて、「開発力、量産立ち上げ力」を売ることを考えてみてください。
最近は、大手メーカーが きちんと開発費を支払うケースが増えてきています。
 
その上で、生産数が増えて商品の普及拡大期に入ったら、依頼元以外のメーカーへの外販を進めることです。 大手メーカーの内製化に対しては、外販です。 これがフィフティーフィフティーの関係です。
 
開発時に、外注メーカーの外販を制限する契約を結ぶケースがありますが、これに見合う条件は、大手メーカーの内製化の制限です。 これをしっかり交換条件として要求すべきです。
 
勇気が要りますが、決して大手メーカーに依存することなく、自立したフィフティーフィフティーの関係を築くことが肝要です。
開発力には、それだけの「力」があります。