第22話: 空飛ぶ車の発売

あなたは、「空飛ぶ車の予約販売が開始された」と聞くと、どう感じますか?
本当の話で、AeroMobil社が 先月から開始しています。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
これ以外にも、複数の会社で取り組みが進んでおり、テスト飛行映像の公開や計画の発表が相次いでいます。
あなたは、このニュースを聞いて、どう思いますか? あるいは、どう思いましたか?
業界が違うので自分には関係ない、
あるいは、どうせ高くて普及は無理だろう、使う方も作る方も金持ちの道楽で終わるだろう、一時の流行で終わる、
そんな風に感じて それ以上の興味を持てないでしょうか。
もし、そうだとすると、あなたは、開発には不向きです。
もっと踏み込んで言うと、将来の売り上げを伸ばすべき経営者としても不向きです。
のっけから厳しい言い方になってしまいましたが、技術開発を伴う商品開発において、開発に成功している方や会社の経営者というのは、たとえ業界が違っても、この手のニュースには少なからず関心を示すものだからです。
そこには、様々な開発のヒントが隠れているかもしれないからです。
どういうことかと言うと、複数の会社が同時期に開発に取り組んでいるからには、そこに、それだけの理由や背景があるはずです。
それは、社会の変化だったり、技術の変化だったりします。
開発に成功される方は、「社会の大きな変化や技術の大きな変化が表に現れた一つの形として、空飛ぶ車があるかもしれない」と想像力を働かせます。
「でも、すごく値段が高いでしょう?普及するわけない。」
そんな声が聞こえてきそうです。
なるほど。
では、どうして、今、複数の企業が 時を同じくして熱心に開発しているのでしょうか?
もしかして、普及するわけないと思われた方は、今の「自家用車」と比較して考えていませんか?
残念ながら、多くの場合、新しく出現したものを既存のものと比較して理解しようとしても、正しい理解はできません。
「新しいものは、既存のものと比較できない違うものだから、新しい」という本質があるからです。
自家用車 → 自動運転 → 移動サービス → 空飛ぶ車
ピンときた方もいらっしゃると思いますが、こういった想像力が重要です。
ちなみに、冒頭の複数の取り組み会社の中には、シェアリングサービスを提供しているUberが含まれています。
シェア文化を受け入れ始めた社会の変化、より進んだ移動サービスを求める社会の変化、
そこへ、ドローンに見られる飛行技術、EVにみられるバッテリやモータの電動技術、
これらが揃い始めて、先進企業が取り組み始めた、、、
こういう想像力が働くかどうか。
そして、その変化の中のどこかに、自分のビジネスにも生かせるチャンスはないか、、、
開発に成功して会社を大きくしていく方は、そういった視点を持っています。
空飛ぶ車に限らず、あなたの周りに世の中の変化が現れ始めた「変化のきざし」はありませんか?
既存事業、既存商品、既存技術のフィルタを通してしか見ないような「偏見」を持たずに、常に新鮮な気持ちでアンテナを張ってみませんか?
きっと重要なヒントに出会うはずです。