第21話: 逆転の発想


〇〇で良かった。
先日、某 前大臣の残念な発言がありました。
発言を知った時は、東北でお世話になった人間として憤りを覚えました。
当初、SNS上でも批判が相次いだそうです。
ところが、その後、「東北で良かった」という言葉を使って、東北愛を語るメッセージや、風景や特産品などの東北の良さを写真付きで紹介する投稿が増えていったのです。
話題になったことを逆手に取って東北の宣伝に利用したのです。
東北の方は、我慢強い方が多いのですが、
今回の 状況を逆手に取った「たくましさ」がとても頼もしく、思わずうれしくなりました。また、これからも東北を応援していきたい気持ちで一杯になりました。
ところで、この「状況を逆手に取る たくましさ」は、逆境に立った時、あるいは立たされた時に、とても強力な力を発揮する重要な資質です。
過去の開発において私が逆境に立たされ、なんとか この状況を打開する策は無いか、と模索した時にも、この「状況を逆手に取る視点」が非常に役に立ちました。
一方で、中小企業の方とお話ししているときに、「ああ、この考え方を持ってほしいな」と思うことがあります。
中小企業の方と開発についてお話ししていると、どうしても「人が居ない、設備が無い、資金が足りない」と、無いものを嘆く言葉が多く出てきます。
これを聞くと いつも「無いものを嘆くのではなく、逆手にとってできることは無いか、と考えてほしい」と強く思います。
無いものをいくら嘆いても、状況は全く変わりません。
状況を変えるには、有るものに着目するか、逆手に取ってできることを探し、「行動する」しかありません。
どんな状況でも、前向きに考え、前進する手段を探し、行動する、そういった「たくましさ」を持ってほしいのです。
例えば、「人・もの・金」を持たない状況を逆手に取る方法として、「市場の選択」があります。
多くの中小企業の経営者の頭のなかには、大企業と同じ「大きな市場」「主流となった市場」「明らかに成長している市場」があります。その方が儲かりそうな気がするからです。
そして、そういった大市場に参入するのに、人が足りない、設備が足りない、資金が足りない、と嘆いているのです。
大企業や中堅企業がひしめく大市場に、人・もの・金が限られる中小企業が参入しても、苦しいのは当然です。
ここで、状況を逆手に取る、着想をもってほしいのです。
それは、「小さな市場」を狙うことです。
「今はまだ小さいけど成長する可能性がある市場」「主流になるかわからないけど可能性がある市場」「まだ取り組まれていない、だれも気付いていない市場」など、
いわゆるニッチ市場を狙うのです。
こういった市場には、大企業は、参入できません。
たくさんの人や設備を持つ大企業は、それだけの人や設備を満足させるだけの「規模」が必要だからです。
逆に、人や設備の少ない中小企業だからこそ参入できる、有利な市場、独壇場です。
「状況を逆手に取った市場戦略」になります。
いかがでしょうか?
嘆くのでは無く、
「人・もの・金が限られた中小企業で良かった」と言える取り組みを考えませんか?
是非。